今週は、薩摩琵琶復活へ向けた取り組みについて、薩摩琵琶制作研究の会事務局の濱田眞民さんにお話を伺っています。
昨日は、戦後衰退しつつあった鹿児島の薩摩琵琶復活へ向けた動きについてお伝えしました。昭和40年代には、技術を学んだ塩田次郎氏が制作を手がけるようになりましたが、数年前、ご高齢のため亡くなられてしまいました。
(濱田さん)
いよいよ誰もいないという状態になりましたので。私は、流祖が「伴どんの琵琶」ですから、琵琶づくりもせんといかんよね、と。琵琶を弾くのもせないかんけど、琵琶づくりもしていかないと鹿児島の薩摩琵琶にならないよねと。
ということで、薩摩琵琶をなんとか作れるようにせんといかんと。だれか協力する人いませんかねと。風間さんという木工の彫刻家に言ったんです。
濱田さんはいろいろな方に声をかけ、材料として使われる希少な桑の木などを確保し、制作復活へ向けて動き始めました。
平成28年4月には、後継者育成を目的とした「薩摩琵琶制作研究の会」を発足。薩摩琵琶同好会、鹿児島県工業技術センター、鹿児島大学、国立高専、木工作家などおよそ20名のメンバーは、さまざまな角度から薩摩琵琶の研究、調査を進めています。
医療関係者の協力を得て古い薩摩琵琶のCT画像を撮影し、解析や図面化を行い、また全国で唯一の琵琶製造者を東京から招いて勉強会を開催。文化・歴史や制作技術を探るほか、古い音源をデジタル化するなど、いろいろな角度から伝統文化を継承する取り組みを行っています。
試行錯誤を重ね、現在までに3面の薩摩琵琶を完成させています。
それでは、この続きのお話は、また明日。