先週は、郷中教育で行われていた「詮議」についてお伝えしました。郷中教育は、武術や道徳面だけではなく、理論的思考も鍛えられ場だったのですね。
加治木・精矛神社の宮司を務める加治木島津家第13代当主・島津義秀さんに郷中教育の魅力について、伺いました。
(島津さん)結果ありきの教育だということです。
その教育現場の中から、後の世に言われる偉人という人たちが数多く輩出されているという結果がまずあるわけで、そういった人たちは、ほとんどすべての人たちが、なにかしらの郷中教育の現場に入って、そういう薫陶を受けて育っているということがわかっているわけです。
ですから、郷中教育の魅力は何かというと、人材を輩出するため、そしてリーダーシップ教育をするための現場と言えると自分は感じています。
島津さんは、昭和60年代に一旦活動が途絶えた加治木の青雲舎の復活に平成12年から取り組み、自顕流、天吹の修練を主とした郷中教育の継承に携わっていらっしゃいます。
(島津さん)最近、教育的な話、子どもたちのメンタルの話から、郷中教育が見直しされているようで、いろんなところから郷中教育を復活したいというお話をいただくんですけれども、そっくりそのまま郷中教育の焼き直しをするのはやめたほうがいいと私は思います。
時代も違うし、価値観も違う、そして男女の性差というものは今なくなっているわけですから、そこらへんの問題もあります。
そういう今に合わない問題をクリアしない限りは、復活できない。もしくは形を変えていかないと、そのままではどうかな、と私は思っています。
それでは、この続きはまた明日。