薩摩の教え

郷中教育の意義~加来耕三さんインタビュー その2

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。昨日からは、4日間にわたって、先日鹿児島にいらした歴史家の加来耕三さんのインタビューをお送りしています。
今日は、薩摩の郷中教育の意義について伺っています・・・


 

目上の人間対する敬意、上の子供たちが下の子供たちを教える、…そういうボーイスカウトの世界を先取りしたのが、郷中制度。

お互いに顔を見ている町内の人間が、お互いさまで教える。しかも、郷中制度の上に立つ「二才にせ」といわれる人たちには、それなりの権威がある。
例えば、下の稚児さんの家(親)に意見しに行く時、藩の中では自分の上司に当たる身分の高い人が羽織袴を着て二才に応対する。
そういったいい意味での礼儀作法が残っていて、お互い知っているご近所さん同士が、兄であり弟である関係が築けることが大事

郷中教育は、どこででも行われ(空いているところであれば、家でも寺でもどこでも借りて)、朝から二才が稚児を教え面倒を見、夜は二才同士が集まって勉強した。だから、優秀な人材を見つけやすかった。

この場合の「優秀」とは、みんなをまとめていける人間(即ち、潔ぎがよくて、堂々としていて、全体を見通すことのできる人間)。そういう人間を、地域そして藩が一丸となって育成しようとした。
こういう例は、(ほかの藩には)ほとんど見られないもの。

 


加来耕三さんのインタビュー、明日もお楽しみに。

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