今日は、いろは歌の25番目の「ゐ」の歌をご紹介します。
亥に臥して 寅に起くと 夕露の 身を徒に あらせじが為
まず、言葉の意味から。
- この歌で使われている「亥」と「寅」とは、干支のことではなく、時刻・時間に用いられています。即ち、亥の刻とは、午後10時のこと。寅の刻とは、午前4時のことです。
- 「夕露」とは、直訳すると「夕刻の露」という意味になりますが、この歌では、露のごとく儚い人生という意味で使われています。
- 「身を徒に」とは、自分自身を無駄にすると言うこと。
- 「あらせじがため」は、有る・居るという言葉の尊敬語で「あらせないため」と言う意味です。
亥に臥して 寅に起くと 夕露の 身を徒に あらせじが為
歌の意味です。
よく勉強をする人は、亥の刻(午後10時)には床につき、寅の刻(午前4時)には起床すると言われてきました。
日新斉は、「人の命は短くて儚いものだ」と感じていたので、命をよく「露の命」と表現されていました。
この露の命が、日新斉の生活の根底にあったと伝えられ、短い儚い命だからこそ、刻を無駄遣いしない努力をしたようです。
亥に臥して 寅に起くと 夕露の 身を徒に あらせじが為
私達も時間の無駄遣いには注意しましょう。
では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また来週。毎日ごわんそ!