【#19】協業組合ユニカラー 生野忠男さん
今週もお聞き頂きまして、ありがとうございました。
「日本を元気に!あなたの街のささえびと」レポーターの鶴園直子です。
このコーナーでは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”。
地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。
さて皆さんは、鹿児島県産の竹100%で作られる「竹紙ストロー」をご存じでしょうか?
今週は「この竹紙ストローで、ふるさとの里山再生を支える人」ご紹介します。
今回のささえびとは、
これを手掛けます、日置市伊集院町にあります協業組合ユニカラーの 生野忠男さん です。
🎋ユニカラーってどんな会社ですか?
弊社は、チラシ・伝票など、皆様に馴染みのある商業印刷はもちろんですが、
鹿児島県内でも当社のみが可能な厚紙印刷を主体とする、総合印刷会社です。
鹿児島を代表する、さつま揚げ・黒酢・焼酎関係などのお土産用のパッケージなども扱っています。
🎋印刷会社のユニカラーさんが、どうして竹紙ストローの開発されたんですか?
2009年に鹿児島県からの要請で、放置竹林などの問題を受けて、
中越パルプ工業さんが竹紙の開発に着手することになりました。
およそ2年の年月を経て、ようやく、竹パルプ100%の紙を製造に成功しました。
しかしその後、様々な竹紙商品を作成したものの、思うように浸透することが出来ない中、
弊社がご相談を受けたのが始まりです。
当社としても、脱プラスチックの観点から、
何か貢献できないかと思考を繰り返し、
全国初の 竹紙ストロー の開発に取り組んだというのがそもそものきっかけです。
🎋鹿児島は竹林面積全国1位!鹿児島と竹って、深いつながりがあるのでしょうか?
18世紀半ばに、中国から琉球を経由して薩摩に孟宗竹が持ち込まれ、
島津の殿様のもとにも入り、今の仙巌園から全国に広まることとなりました。
孟宗竹は、鹿児島県の竹の中で最も多く存在する品種と言われています。
🎋鹿児島の竹林は、今どのような状況なのでしょうか?
放置竹林によって管理されない竹林が増加して、竹が増え続ける一方となっているのが現状です。
竹の需要が大幅に減少したこと、竹を伐採する人手の高齢化、さらに後継者不足の問題もあります。
こういった管理されない竹林が増えると、台風によって電線を遮断して停電が起きたり、
大雨による土砂災害や土砂崩壊などの問題を起こすといわれています。
🎋ちなみに竹紙ストローはどのような流れで作られているんでしょうか?
まず、竹紙ができる工程として、竹をチップ状に細かく切削して、
そこから取り出した繊維を抽出して竹紙を作ります。
その竹紙を、スパイラル状に層を重ねて加工をすることで、竹紙のストローが完成します。
🎋実際、竹紙ストローの使い心地ってどんな感じなんですか?
竹の繊維は、広葉樹よりも長くて、針葉樹よりも短いため、強くしなやかという特徴があるんです。
ストローとしても、耐久性にも優れている上に、とても口ざわりの良い印象です!
🎋生野さんを里山再生へと突き動かすのは、どんな想いからなのでしょうか?
幼少期の頃から、自宅の周りに竹が生えていました。
川遊びで竹を竿にして釣りをしたり、竹先に針を付けて鰻取りもしました。
小学生から剣道を習っていたので竹刀にも触れていた上に、
秋になると祖母の唐芋取りを手伝って竹籠を背負っていた記憶があり、
幼い頃から成長する過程で、必然的に竹が身近にありました。
しかし、竹が使用されなくなったことにより、放置竹林が問題となっている中で、
こうして問題の解決に向けて、中心となって取り組むことができ、これも何かの縁と感じています。
🎋まずは皆さんに知って頂くことですよね?
実は昨年、竹紙ストローをなぜ作ったかという内容の動画を制作して、
鹿児島市・日置市ほか、計7市町の小中学校へDVDを無料配布して、子供たちに観てもらうことになりました。
竹は、標高の高いところには生息せず、人が生きづくところに生息する身近なものであるということ、
またこの動画を通して、次の世代の子供たちが少しでも認知・理解し、
里山再生が受け継がれることを、私自身強く願って、引き続き活動していきたいと考えています。
実は私も竹紙ストローを使ってみたんですが、
私が想像していたものと比べて、
とにかく薄くてかたくて軽い!
口触りがやさしくて、
とても使い心地のいいストローでした!
ちなみに、
鹿児島県産業会館内「鹿児島ブランドショップ」や、
天文館の「かご市」などでも販売されているそうです!