【#50】南薩の田舎暮らし 窪壮一朗さん
このコーナーでは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”。
地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。
今回は昨年5月にご出演して下さった方なんです。
南さつま市大浦町で農業や食品加工業を営む「南薩の田舎暮らし」の窪 壮一朗さん。
お仕事の傍ら、出張カフェなどを行なっていらっしゃるんですが、
お住まいの大浦に、
空き家を改修した「古民家ブックカフェ」を作ろうと活動をしていらっしゃるというのが前回のお話。
その後どうなったのか?どんな変化があったのか?
改めて伺いました!
📚前回お話されていた「古民家ブックカフェ計画」は、その後どうなった?
実は、前回の放送の5日後からブックカフェの改装工事が始まりました。👷♂️‼
予定では7月からの予定だったんですが、
コロナで工務店さんが暇になったってことで、前倒しでやって下さいました。
予算が少なくて最小限の改修のはずだったのに、いざ工事が進んでいったら、
工務店さんが「せっかくだからウチも楽しんで改修します」といっていろいろ工夫してくれて、
最終的には見積もりに全然入っていなかったところまで手を入れてくれました。
そのお陰で当初の予定よりずっとオシャレで居心地のいい空間になったと思います。
それから、ブックカフェなので本を集める予定でいたんですが、
改修資金を募るクラウドファンディングで新聞やテレビに出たら、
「うちにある本を寄贈したい」というお申し出がたくさんあって、
結局自分からは「本を下さい」というお願いはしないうちに、あれよあれよという間に本が集まってきました。
数えてはいませんけど3500冊くらい寄贈があったと思います。
こうして昨年12月3日に無事お店をオープンさせることができました。📚✨
📚どんなブックカフェになった?
お店は「books & cafe そらまど」っていう名前にしたんですが、
「そらまど」っていう店名は「空色の窓」からつけました。
この古民家で、私が一番気に入ったのが空色にペイントされた木の窓枠だったんです。
だからそれは改修では手をつけず、お店の顔にして、内装やオリジナルカップも空色で揃えました。
ここで古本の販売と、コーヒー☕や自家製ジンジャーエールなどの飲み物、
手作り焼き菓子を提供するカフェを夫婦二人で運営しています。
📚そもそもこの場所を作った目的は・・・?
田舎には文化的なものが少ない、大浦には『ジャンプ』を買う場所もない。
もちろんカフェもないんですが、
私も家内も本が好きなので、近所に本が買える場所があったら嬉しいな、
カフェも欲しいよなーと思ってブックカフェを作ることにしたんです。
だから地域に必要とされてるとかじゃなくて、ある意味自分たちのエゴのためにブックカフェを作ったのに、
地域の方が「こんな場所ができてよかった!」って言って下さるのがいい意味で予想外でした。
📚実際にブックカフェがオープンして、いかがですか?
ブックカフェとは言いつつも、「実際は本は飾りみたいなもんであんまり売れないだろう」って思ってたんです。
でも意外と本を買う方が多いなーというのがオープンしてみての印象ですね。
本が売れない時代っていわれてますけど、本を求めてる方は田舎でも多いんだと改めて思いました。
コロナもあったので、今のところお客さんがいっぱいっていう感じではないですが、
地元の老人クラブのみなさんは毎週来て下さいます。
特にその中で80歳を過ぎた「としこさん」って言う人が特にこのお店を気に入ってくれて、
いろんなところで宣伝してお客さんを連れてきてくれるんです。
この方はいわゆる独居老人なんですけど、
「ここに来ると、誰それがどうした〜みたいなのとは違う、非日常的な会話が出来るからいいわー」と言ってくれて、
毎回いろんなことをマシンガントークで話すんですよ。
これまでそういう場所がなかったみたいで、老人クラブの会長さんによると、
「このお店ができてからとしこさんが随分元気になった」と言ってました。
もちろん、静かに読書される方もいますし、
インスタを見た若いカップルも、最近はちょくちょく見えるようになりました。
ちなみにとしこさんは、そういう方が来ると
「うちらみたいのがいるとオシャレな雰囲気が壊れるよね」といって退散して、
店の雰囲気にまで気を使って下さってます(笑)
📚この場所を通して、これからどのように地域を支えていかれたいですか?
この場所が田舎には不足しがちな「文化の拠点」になったらいいなと思っていて、
小さい店ですから大したことはできませんけど、講演会とか演奏会に使えないかなと思っています。