ととナビvol.183 クマエビ その2

👼🏻:「今日はいよいよ今年最後のととナビですね。ついこの前、お正月に「マダイはまだいい」とか言いながらマダイのお話をしたと思ったら、もう年末なんですね・・・。」

 

というわけで、先週に引き続き、今週もクマエビのお話です。南日本から東南アジアにかけて、オーストラリアにもすんでいる、体長20㎝くらいになる大きなエビです。

 

このクマエビ、年に一度だけ主役🌟になる時があります。

それはお正月。

クマエビ、つまり「あしあか」の焼きえびが贅沢なお正月のお雑煮になるんですっ!

 

🙇🏻:「八代海の冬の風物詩「けた打瀬網」という伝統漁法。白い帆を張って風の力で網を引く漁なんですが、狙っているのがこの「クマエビ」なんです。

このエビを使って雑煮用の焼きえびを作っているのが出水市にある柴田水産の柴田さん兄弟です。先日、久しぶりにお会いしに行ってきました・・・。」

 

やはり、おいしいものを作るには、いい材料と、手間ひまかけることが大事なんですね。その日の朝に市場で競り落としたクマエビを、午後に焼くんですが、まずは30年間使い続けている窯に県内産の炭で火をおこすところから始まります。10匹か12匹を1本の串に刺したものを金網でできた台に4本ならべて窯に入れて焼きます。

 

焼きあがるまで3、40分ですが、その間に何度も取り出して焼け具合をチェックし、裏返したり移動させたりします。最初は窯の下の方の火に近いところで焼きますが、徐々に上の方に移動させていきます。

 

焼きあがったらおしまい、ではないんですね。窯の上の方の、火から遠いところに移してそのまま一晩乾燥させるんですよ。

 

ここで初めて串から外します。大きさの選別をして、今度は10匹が同じ方向にならぶように藁で縛ったものを2本むすんで吊るして風通しのいいところで干します。1週間から10日間くらいですね。これでやっと出来上がりです。

材料にこだわり、これだけ手間ひまかけて作るからこそ、他にはないまろやかな出汁になるんですね。焼きえびを作っているのは、今は柴田兄弟だけです。けた打瀬網の漁船も1、2隻しか操業していません。この伝統を絶やしてはいけないですね。」

・・・・ふむふむ、おっしゃるとおりです。

 

皆さん、ちょっと値段は高いですけど、お正月は出水の焼きえびでお雑煮を作りませんか。

焼きえびを作る様子を拝見すると、値段が高くても納得です。

クマエビののった縁起のいいお雑煮で良いお年をお迎えください~🤗。

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