いちき串木野市 フリーペーパー発行 小林史和さん
きょうは、いちき串木野市の地域おこし協力隊員小林史和さんです。小林さんは先月フリーペーパーを発行しました。テーマは「コーヒー」、この冊子を通じて町に人を呼び込みたい。小林さんの思いなどを取材しました。
(小林史和さん)「今回のフリーペーパーは、もともと移住パンフレットを作成する話から出ていたんですけど、まずは来てくれる人を増やせる内容にしたいと」
先月1日に発行されたフリーペーパーの「アルヒ」。
意味はギリシャ語で「始まりや発端」です。
テーマにしたのは「コーヒー」です。
いちき串木野市は港町ということもあり、外国へ行っていた船の乗組員が土産としてコーヒー豆を持ってくることも多く、昔から身近にコーヒーがあったといいます。
冊子には街の暮らしが見える日常の風景写真や市民の思いなどが掲載されています。
編集長はいちき串木野市の地域おこし協力隊員で山梨県出身の小林史和さん(39)です。
会社員やゲストハウスの運営などを経ておととし4月に初めて鹿児島にきました。
(小林さん)「アルコール文化が近いところがある。(山梨県は)ワインが有名なので、焼酎が身近にある暮らしってどんな感じだったのかなと。山梨から出て生活したことがなかったので、外に出たいという気持ちもあり」
小林さんは「移住や定住支援」の担当で現在、外国人向けのシェアハウス「カッチェル」の管理もしています。
これまでに移住促進のパンフレットの制作や首都圏などでの移住フェアでのPR活動。また、去年は南九州市で行われたイベントに参加した県外客10人を市内に案内し街歩きツアーなども行いました。
いちき串木野市は潜在的に人を呼び込む魅力を持っていると小林さんは語ります。
(小林さん)「移住するもしないも、来てみないと分からないので、まずは来てもらう人を増やせたらいいなと」
知らない土地に住むからこそその町の人や日常、遊び方を知ってほしいといいます。県内外から客が訪れる西浜町の林酒店は小林さんもよく訪れる店のひとつ。
店の3代目の林奈津代さんは小林さんの人柄を気に入り、山梨県のさまざまなワインを取り扱うようにもなりました。
「アルヒ」はお客さんとの会話や地元を改めて知るきっかけにもなったと話します。
(林酒店3代目林奈津代さん)「これを置いていると、知っている人は知っている。ジャマイカさんじゃないですか?そこからのスタートなので、立ち寄って下さった時には、おすすめしている。すごいありがたい。自分が知っている所を小林君がピックアップしてくれて、初めて再発見」
表紙になったコーヒー専門店のジャマイカです。
JR串木野駅近くに開店して44年を迎える老舗のコーヒー専門店です。
店のマスターで71歳の藤田厚弘さんは観光とは異なる視点で町を発信することはありがたいと話します。
(ジャマイカ藤田厚弘さん)「小林さんがああいう形で積極的に外から見た串木野を、いいところをピックアップしてもらって非常に良かったなと思っています」
Qコーヒーにスポットをあてるところも?
「そうなんですよね。若い人たちにもっといい意味で前にひっぱっていってもらいたいなと思いますね」
小林さんは来月、東京で行われる移住フェアで「アルヒ」と掲載店のコーヒーを紹介します。
その一方で、3年目を迎えた地域おこし協力隊の活動も残り11か月となりました。
(小林史和さん)「外から来た人間が暮らしやすくなる。暮らしやすい町になっていったら、外から来ても不自由を感じなくなるんじゃないかな。地元の山梨とも今後何かできたらいいなと。理想は2拠点生活、鹿児島と山梨。3年間で帰ることになってしまったらさびしい気持ちもあるので頑張ります」
移住した小林さんが感じたのは日常から見える町の良さ。
この1冊が「ちょっと行ってみようか?」という声につながることを期待しています。
フリーペーパー「アルヒ」はいちき串木野市役所や観光案内所、掲載店などで入手できます。