• きばっちょいもす
  • 恒例のシリーズ「きばっちょいもす」では、元気なお年寄りを紹介します。

マジックで笑顔を 鹿児島市の82歳

見ている人に笑顔を届けようと奮闘する鹿児島市の82歳のマジシャン

鹿児島市の赤崎治夫さん、82歳。「お笑いマジシャン」として高齢者施設などを回り、マジックを披露しています。

ただのマジシャンではなく、肩書きに「お笑い」とつくのにはある理由が。

(赤崎さん・加藤さん)「わたしはツッコミ役、わたしはおとぼけ役をやってます」

赤崎さんには10年来の相方がいます。加藤秀雄さん(80)です。赤崎さんのステージは、2人のかけ合いで笑いを交えながら繰り広げられます。

この日、赤崎さんが用意したのは新聞紙。新聞紙を破って重ねること3回。
(赤崎さん)「はい、魔法をかけてください」
(加藤さん)「破った新聞紙が元の新聞紙にかえってこーい!1・2・3!」

破ったはずの新聞紙が元通りに。時には失敗もあるものの、そこは10年来のコンビ。阿吽の呼吸で乗り切ります。

2人のかけ合いは即興で繰り広げられるため、毎回、何が起きるかわかりません。筒に3色のハンカチを入れるマジックでは…

(赤崎さん)「何枚入れたけ?色を言ってみて」
(加藤さん)「えーっと…。(何色を入れたか忘れた様子)」

(赤崎さん・加藤さん)「きれいにセリフを決めてこう言ったらこう返事をしてと一切言いません。あんまり決まっていたら面白くない」


かつては中学校の教員として38年、第二の人生を

赤崎さんはかつて中学校の教員として38年間働き、校長も務めました。そして定年後に大学時代から嗜んでいたマジックを再開し、披露する機会が増えたため、20年ほど前から「お笑いマジシャン」として本格的に活動を始めました。

そして10年ほど前に、地域の高齢者クラブの忘年会で意気投合した加藤さんに赤崎さんから声をかけ、コンビを結成。

2人が掛け合いをするスタイルが受け、コロナ前には多いときで月に15回ほどマジックを披露していました。

(赤崎さん)「退職というのは人生の中で非常に望みも出てくるし、逆に落ちてくるんですよ心も体も落ちてくる。そこをどう乗り切るかっていうのは高齢者の一つの課題なんですよね」

定年後に「お笑いマジシャン」として歩み始めた赤崎さんに妻・良子さんは。

(Q.お笑いマジシャンになると聞いたときは?)
(妻・良子さん)「好きなことをしたかったんでしょうね。もうちょっと働いてもらいたかったけど」
(Q.マジックは見たことある?)
(妻・良子さん)「たまに見ますけど、バレバレなところもあるしね」


これからも笑顔を届けます

安倍松正行さん(92)と吉見文一さん(80)。2人は赤崎さんのマジックの教え子です。師匠の前で習得したマジックを披露していました。

(安倍松さん)「いろんなところに行くと、みんな言葉をかけてくださいます。そのときは嬉しいです」
(吉見さん)「私の夢はですね、孫が8人いて、その孫の結婚式でマジックをしたいんですよ」

(加藤さん)「『一怒一老・一笑一若』一回怒れば、ひとつ年をとるそうです。一笑一若、一回笑えばですね、ひとつ若くなるそうです。だからみなさん毎日毎日笑いながら生活してください。」

(加藤さん)「マジックは赤崎さんと一緒にできるまでですね。良い師匠とお知り合いになって本当うれしいです」

(赤崎さん)「もうやめはならんでしょうね。20何年やってきてるから、やめたら精神的に参ってしまうと思いますね」

赤崎さんはこれからも多くの人に笑顔を届けます。