天璋院篤姫像に刻まれた覚悟の文言「一命をかけ…」元となった西郷への書状を彫刻家・中村晋也さん(97)が閲覧 鹿児島
黎明館は去年、天璋院篤姫が徳川家存続を願って西郷隆盛に宛てた書状を収蔵しました。来月の一般公開を前に、天璋院像を制作した彫刻家・中村晋也さんがこの書状を見ました。
(中村晋也さん)「どこまで書いても言い尽くせないんじゃないかな」
長さが3メートルを超える書状。『隊長へ天璋院』と書かれています。
薩摩から徳川家に嫁いだ篤姫が、1868年、官軍による江戸城総攻撃直前に官軍の隊長だった西郷に徳川家の存続を願って送ったものみられ、無血開城のきっかけになったとされる貴重な資料です。
この書状を見に黎明館を訪れたのは、14年前、敷地内に天璋院像を制作した彫刻家、中村晋也さん(97)です。
力強いまなざしで前を見つめる像の後ろには、篤姫が書状に記した覚悟の一文、「私事一命にかけ是非是非御頼申候二候」が刻まれています。
正面から見えない場所に刻まれた理由は・・・
(中村晋也さん)「皆の前でしゃべる言葉ではない。心の中でしゃべること」
像の制作時は、写ししか見られず、初めて実物を見たという中村さん。篤姫の思いを強さを感じたようです。
(中村晋也さん)「切羽詰まったものですよ、死ぬか生きるかのどっちかだ」
この書状は、来月2日から開催される「黎明館の至宝」で一般公開されます。