きっかけは長男誕生 夫(28)が7月に転職し“完全テレワーク”に「一つの選択肢としていい」鹿児島

「働き方改革」の手段の一つとされるのが、会社に出勤せずに働く「テレワーク」です。
「家族との時間を大切にしたい」と完全テレワークを選んだ男性を取材しました。

平日の昼間に赤ちゃん用のミルクをつくるのは、姶良市の川野尚仁さん28歳。看護師で育休中の妻・菜生さんと、今年9月に生まれたばかりの長男・維月ちゃんのお世話をしています。

川野さんは、維月ちゃんが生まれる前はシステムエンジニアとして鹿児島市の会社に通勤していましたが、7月に転職。東京に本社がある企業の「完全リモート」社員として自宅で働く生活を始めました。

(川野尚仁さん)
「今後、子どもが生まれるのでワークライフバランスをしっかりしたものにしたいと思って転職した」

Q.赤ちゃんが泣いてしまうとき、家で一人だと心細い?
(妻・菜生さん)「私ひとりじゃ対応できないときもある。夫に抱っこを代わってもらうこともある」

川野さんの勤務時間は午前9時半から午後5時半まで1階の仕事部屋で働きます。そして、家族と過ごす時間は2階のリビングへ。家の中で、仕事とプライベートの空間を使い分けています。

(川野尚仁さん)「高校を卒業後は東京のオフィスで仕事したいと思っていた、働き方も変化していると思う。(完全テレワークは)一つの選択肢としていい」

こうした働き方は、ワークライフバランスを重視する働き手の側だけでなく、幅広い人材を確保したい企業側にとってもメリットがあるといいます。

川野さんが勤務する「PwCコンサルティング」は東京に本社がある社員数4000人の企業ですが、鹿児島でテレワークを前提に働く人材の確保を進めていて、今年1月から先月までに12人を採用。今後、さらに増やしていくため22日、県と協定も結びました。

(PwCコンサルティング 大竹伸明CEO)「鹿児島県にいながら正社員として就職してもらい、ポテンシャルの高い人材を全国、世界の仕事に輩出していくことが目標」

コロナ禍で導入もすすんだものの、対応できる業種が限られるなどしてピーク時に比べて減少したとされる「テレワーク」ただ、価値観が多様化する中で、地理的な制約も大きい鹿児島だからこそ、有効な選択肢の一つとなるかもしれません。