交通渋滞「全国ワースト」脱却へ 対策も始まるも解消見通せず 鹿児島県(2023年8月22日放送)
混雑している道路の割合は、鹿児島市が全国でワーストという調査もあります。そうした渋滞の改善に向けた取り組みを話し合う協議会が22日に開かれましたが、対策が進められているにも関わらず、渋滞解消には至っていないことが報告されました。
県内では、123か所の道路が渋滞が多く発生する「主要渋滞箇所」に選定されていて、その8割以上の106か所が鹿児島市に集中しています。
国や県、物流業界の代表からなる渋滞対策を話し合う協議会が22日に開かれ、県内の現状が報告されました。
協議会が注目のポイントとしているうちの1か所が、鹿児島市の中洲電停交差点です。去年3月、車両の流れがスムーズになるよう、右折する車両の矢印を表示する信号機が設置されましたが、目立った効果が上がっていないことが、22日に報告されました。
中洲電停交差点の周辺では「鹿児島東西道路」の工事が進んでいますが、完成時期は決まっておらず、渋滞解消の見通しは立っていません。
(記者)「鹿児島市の甲突川沿いにある玉江橋西口の交差点です。7本の道路が合流していて、朝や夕方は渋滞が深刻になっています」
また、鹿児島市の国道3号や鹿児島アリーナに近い「玉江橋西口交差点」も「主要渋滞箇所」の一つで、朝の通勤時間帯や夕方の帰宅時間帯は渋滞が発生します。
(近所の住民)「混む。渋滞する。だいぶ前から。道路ができたころから」
(タクシー運転手)「朝夕はあまり通りたくない。困っていると思う。この道を通勤で利用している人は」
車両の流れをスムーズにするため、鹿児島市が「ゼブラゾーン」と呼ばれる「導流帯」をなくして、右折専用の車線を30メートルから60メートルに伸ばしましたが、渋滞の解消には至っていません。
協議会では「ハード面の対策には限界もある」として、渋滞を避けるソフト面の対策にも協力を呼びかけています。
(鹿児島国道事務所 竹下卓宏所長)「(渋滞緩和のためには)公共交通機関をうまく使うこと。時差出勤。ピーク時間帯を避けて、移動してもらうような利用者の協力が必要になる。対策を組み合わせることが非常に重要」
「全国ワースト」脱却へ。関係者の模索は続いていますが、見通しはまだ立っていません。