二十歳 ぼくの、メリット

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曽於市に暮す久永航希は、中学校の時に学校へ行かなくなった。先生が嫌いで、友達との関係も苦手。「同級生に学校来いよと言われる度に、自分が学校に行って皆に何の“メリット”があるのか・・・」常に感じるのは「自分はいなくても同じ」という空虚感だった。シングルマザーの母、美代がトカラ列島の悪石島に移住することを決意。人口およそ70人の島での生活を通して、航希が自分の居場所を見つけていく。

島に来て5年、航希は二十歳になった。そして今、独り立ちすることへの不安を抱えている。周囲から「将来のために高校を卒業した方がいい」と言われることもある。しかし、学校のイメージは中学生の時のまま。航希は焦りながらも、身動きがとれずにいた。

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