【防災・私の提言】伊佐市女性消防分団 春口章子分団長

シリーズでお伝えしている「防災・私の提言」。今回は、伊佐市の女性でつくる消防団の分団長春口章子さんです。


(伊佐市女性消防分団 春口章子分団長)「サイレンが鳴って公民館に集まり、それで解散というだけでなく、踏み込んだ訓練ができたら皆さんの意識も変わってくるし、もっと真剣に取り組めるのでは」

防災訓練について話すのは、伊佐市女性消防分団の春口章子分団長(60)です。
伊佐市女性消防分団は2014年に発足。看護師や介護福祉士、市議会議員や主婦ら、女性20人の団員で活動しています。

(春口分団長)「まずは独居老人のお家を回り、“火事が起きたときはどうしますか”っていう声かけからの防火訪問を始めました。それと、非常持ち出し袋。分かりやすいように絵を使ってチェックする。これを持ってお迎えに来られた方と一緒に避難してくださいね、っていう話をしたり」

伊佐市ではおととし、去年と、2年続けて大雨特別警報が出される記録的な大雨に見舞われました。市内では冠水が相次ぐなどし、避難所も開設されましたが、高齢者からは「避難所に行くのが嫌だ」という声も聞かれたといいます。

(春口分団長)「去年の水害の時に出てきた意見が『避難所に行くのは嫌だ』と。どうして、って聞いたら『トイレに行けないから』とか『床に寝たら立ち上がれない』という話があって、避難所には行けないという話を耳に挟んだ」

どうすれば避難所に行ってもらえるのか?女性消防分団の中から出たアイデアのひとつが「手作りの段ボールベッド」でした。

(春口分団長)「段ボールベッドがあるっていうのに、(公民館など)普通のところには置いてもらえないの、という話があったり。そうしたら、コストもかけずに既成のものではなく、簡単にみんなで作れるものを作ってみませんか、という話から活動が始まりました」

不要になった段ボールを活用するベッド。地域のひとたちが協力して作ることで、地域がまとまる効果も生まれるものと、春口分団長は期待します。

(春口分団長)「不要なもの(段ボール)を使って、各自治会でも作れますよ、これだったら弱者であろうが、子供さんであろうが、高齢者でも一緒になって1個ずつ作ればいいんだね、ということで、みんなが協力して取り組めるんじゃないかなと」
「アイデアを出して、みんなで助け合う自助共助、それが1番みんなも触れ合えるし、絆もできるかなと思う」

いつ起きるかわからない災害。春口分団長は、命を守るためにひとりひとりが普段から防災を意識し、訓練に参加したり知識を蓄えたりしてほしいと訴えます。

(春口分団長)
「平常時からやはり意識すること。皆さん安易に考えていらっしゃる方が、私も含めていると思うんです」
「危険にさらされることが、訓練や知識によって防げる。減災につながっていくと思うので、教育と言ったらまだおこがましいが、私たちもそういう意識付けができて、一緒に活動ができれば」

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