『記録的大雨、私は』伊佐市~自分の判断で避難~

『記録的大雨、私は』伊佐市~自分の判断で避難~

CASE1.自宅が浸水、自らの判断で避難した女性

鹿児島県北部を襲った記録的な大雨について、経験した方の声から教訓を考えるシリーズをお伝えしています。今回は、伊佐市の自宅が浸水し、自らの判断で避難した女性です。

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(梅ケ谷さん)「この辺までですね。床上。畳も全部出して」

伊佐市大口で夫と2人で暮らす梅ケ谷律子さん(64)です。今回の大雨で自宅は床上まで浸水。13日も家の片づけに追われていました。

(梅ケ谷さん)「押し入れの下も全部濡れて。まだ片付けてない。命があるだけでもよかったと、他県の災害を見たら思う」

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(記者)「伊佐農林高校前の国道沿いの地域です。10日の大雨では私の腰の高さ、このガードレールの高さまで水に浸かりました」

梅ケ谷さんが暮らす伊佐市大口の原田地区です。10日のうちに水は引きましたが、およそ20棟に床上・床下浸水の被害が出て、ボートで救助された住民もいました。『記録的大雨、私は』伊佐市~自分の判断で避難~
集落には川内川の支流が流れていますが、伊佐市によりますと、今回の浸水は川の氾濫によるものではなく、短時間に大量の雨が降ることで排水が追い付かず一帯に水があふれる内水氾濫でした。
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住民が「これまでに経験したことのない降り方だった」と振り返る今回の大雨。伊佐市大口では10日の午前4時50分、1時間に94ミリの猛烈な雨を観測。

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ちょうどそのころ朝食の準備をしていた梅ケ谷さんは、30センチほどの高さまで水が迫っていることに気づき、夫と近くの小学校に避難しました。

(梅ケ谷さん)「(夫と)朝ご飯を食べようとした時、何か様子が変だなと思った。今逃げないと危ないと思ったら、みるみるうちに水が上がってきた」

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伊佐市は午前5時半の大雨特別警報を受け、「避難指示」を発表。午前6時15分には「緊急安全確保」を出しました。しかし、梅ケ谷さんは大雨特別警報には気付かなかったということで、避難情報が出される前に自分自身の判断で避難したといいます。

(梅ケ谷さん)「全く(特別警報に)気付かなかった。もし堤防が崩れたら家ごと流されると思って2階に避難も怖かったので、(夫と)とにかく家を出ようと言って、何か持ち出す準備もできなかった」

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15年前、2006年の県北部豪雨災害でも自宅が床上浸水の被害にあった梅ケ谷さん。それぞれが自分が住んでいる地域の災害リスクを知ったうえで、避難行動をとるタイミングを考えておくことが大切と話します。

(梅ケ谷さん)「自分は大丈夫だろうという気持ちでいないで、避難できるうちに特に体の不自由な人は避難してほしい。うちは川の近くで崖はないが、崖下の方とか。今の気象災害はわからないから」

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