「深海のいきものパート2」
きょうの青たくのテーマが「深」。そして山口プロモーション「深海のいきもの」編は
およそ1年半ぶり2回目のテーマです。
改めて深海・深海のいきものとは・・・水深 200m以深を深海と言います。海洋の150~200m以深の層は、光合成に必要な光量が十分ではなく、植物プランクトンや海藻は生育できません。そのため深海魚はすべて動物食性です。そして過酷な環境下で暮らすため特徴的な見た目をしています。太陽光線の届かない暗いところに適応しているために発光器をもつものや発光細菌を共生させるものがいます。眼が非常に大きいあるいは退化している ものが多いです。水圧の影響で筋肉の発達や化骨の不十分なものも多く、また、内臓にビタミンなどの有効成分が含まれていることがわかり、その利用価値が高まってきています。
前回は生きた化石といわれるサメの仲間「ラブカ」、海のパイナップル体が無色透明の「サルパ」、スーパーブラックフィッシュという異名も持つ「ムラサキホシエソ」を紹介しました。ここまでは前回のおさらいです。
リュウグウノツカイ~深海の神秘的ないきもの~
いおワールドかごしま水族館でも標本が展示されていますが、有名な深海魚ですね。(あつまれどうぶつの森でもいまの時期釣れて、たぬき商店で9000ベル売れます。)体の表面には「グアニン」というアミノ酸の結晶があり、これが可視光線を反射するため、鱗が無いにもかかわらず鏡のように美しく輝く銀色の体をしているのが特徴です。リュウグウノツカイは頭を上にした「立ち泳ぎ」の状態で静止する習性があります。これは、水中で影を作らないようにし、天敵から見つかりづらくする進化の結果だそうですよ。
太平洋、インド洋、大西洋など広い範囲に生息。まれに沿岸に漂着したり定置網で捕獲されたりします。かごしま水族館の調査では2015年5月20日と6月13日に南さつま市笠沙町の定置網で立て続けに捕獲されました。最大全長5.5mです。かごしま水族館のHPによりますと、夜、月明かりに照らされて銀色に輝くからだと長く伸びた赤い背びれは、白い顔に赤い髪をもつ人魚のように見えるとのこと。深海魚の代表格ですが、まさに人魚のごとく、その生き様は幻のように謎に包まれたままなんだそうです。
ニュウドウカジカ(ブロブフィッシュ)~世界一ブサイクな生き物~
イギリスには「醜い動物保存協会」という組織があるそうなのですが、そこでニュウドウカジカ(ブロブフィッシュ)は2013年に「世界一醜い生き物」認定されました。半透明のピンク色の体と体いっぱいに広がった口角が下がったような口、ぺたんこにつぶれたように見える鼻、小さな目が特徴的で一度見たら忘れられません。ぶよぶよした見た目が深海のいきものといった感じです。
北海道オホーツク海 沿岸、青森県〜茨城県の太平洋沿岸、東シナ海 大陸斜面域、オホーツク海、ベーリング海〜カリフォルニア・サンディエゴの太平洋の水深480-2800mに生息しています。(地上の10倍ほどの水圧)大きさは60センチほど。実ははじめに紹介した見た目は底曳網で深海から引き揚げられたあとの姿でした。網に擦れて柔らかい皮がむけてしまってあのような姿に。実は深海を泳いでいるときには灰色がかった白い肌に小さなとげがたくさん生え、つぶれた鼻のように見えた部分もあまり目立たないようです。北海道知床で採集された個体が2018年アクアマリン福島で展示され汚名返上を果たしました。
ただ、皮がはがれてつぶれたような姿も太ったおじさんのように見えてかわいいという声もありました。日本でも最近ではキャラクターになってグッズも売られています。仙台うみの杜水族館公式YouTubeではからあげにして食べたら美味しかった!という動画も上がっていました。(胃の中にはサバやヤドカリが丸ごと入っていて発見がありました!)
スタジオでは写真を見ながらお話ししましたが、ぜひ検索してみてみてくださいね。
また、かごしま水族館などでは深海のいきものや標本も実際に見ることもできます。
深海のいきものパート3もお楽しみに。