「食べ物の名前がつく生き物」
先週のこのコーナーではきつねうどんやたぬきそば、ソルティドッグ、東北の郷土菓子くじらもちなどの「生き物の名前がつく食べ物」を名前の由来などとともにご紹介しました。実際にその生き物は入っていなくても多くはその見た目から名前がついていましたね。今回は「食べ物の名前がつく生き物」をご紹介です!
パンケーキリクガメ
ケニアやタンザニアなどアフリカ東部のサバンナや乾燥したやぶ地の岩場に生息しています。甲羅の長さはおよそ15センチ、厚さはおよそ4センチ、重さはおよそ400gです。甲羅が柔らかで平らなことから、パンケーキという名前がつきました。平たいカメです。危険を感じると、驚くほどのスピードで岩のすきまに入りこみます。そのすきまの中で空気を吸い込んで甲羅をふくらませ、頑丈なつめを使ってふんばり、敵に引き出されないようにして身を守ります。
スベスベマンジュウガニ
鹿児島にもいるカニです。房総半島〜九州、奄美大島、八重山諸島、そして台湾、中国、インド太平洋域など広く生息しています。甲羅の長さはおよそ6センチ、甲羅の幅はおよそ10センチです。甲羅の表面がすべすべした饅頭のように丸みのあるカニなのでこの名前になりました。まあるくふっくらした見た目から美味しそうにも見えましたが、サキシトキシン、テトロドトキシンなど数種の毒を脚や鉗脚などに含むため食べることはできません。
マンジュウヒトデ
鹿児島でもお目にかかれるかも!?マンジュウヒトデは屋久島以南に生息しています。直径およそ20センチ、赤、黒、茶など色は様々で、体は「まんじゅう」のように盛り上がっています。幼い個体は星形をしてますが成長に伴い、球形に近づいていきます。また、体が小さな粒に覆われていて針刺しに似ていることから英語ではクッション・シー・スターとも呼ばれています。厚みがあってぷっくりした見た目がかわいいです。
チョコレートチップスター(ヒトデ)
紅海を含む、西太平洋や太平洋のラグーンや藻場などの浅瀬に生息しています。大きさは直径およそ15センチ、短く太い腕が5本あります。背側の色は生息場所により異なり、白・黄色・茶色・赤・青地などに、 灰色~焦げ茶色のチョコレートチップのようなポツポツが多数あります。この見た目からチョコレートチップスターという名前が付きました。ちなみに天敵は私の大好きなお魚モンガラカワハギだそうです。
スカシカシパン
こちらも鹿児島にいる生き物です。名前だけではわかりにくいですが、パンのような形をしたウニの仲間です。焼き菓子の甘食に似ています。相模湾以南、小笠原諸島、奄美大島に生息しています。穴が開いている=透かしがある菓子パンで「透菓子パン」です。2008年頃タレントの中川翔子さんとのコラボレーションでコンビニで「スカシカシパン」というパンが販売されていました。
コンペイトウウミウシ
白色半透明の体に、細かい黄色~橙色の点模様やイボ状の突起があり、イボ状突起の先端に白線で縁どられた鮮やかな黄色~橙色の斑点があるかわいらしい見た目のウミウシです。体長は30~90ミリ、西太平洋熱帯域に分布しています。突起の大きさなどで見分けるオシャレコンペイトウウミウシもいるようなのですが、写真を見た限り違いはあまりわかりませんでした・・・。
イチゴミルクウミウシ
美味しそうで、かわいらしい名前のウミウシです。体はピンク色で青紫色や白の斑点が体の周りや背中に入るベージュがかった白い線に点いています。触角と二次(にじ)鰓(えら)(呼吸器)は赤色で中央付近が白い色です。イチゴミルク色の生き物かわいいですね。イチゴミルクキャンディーのようなもこっとした見た目も名前にぴったりです。個人的な感想ですが、女子力高めです。インドネシアやマレーシア、フィリピンなどで見られますが、日本にもいるようです。
「食べ物の名前がつく生き物」は海の生き物ばかりでしたね。最後にご紹介したウミウシはこのほかにもモンジャウミウシやパイナップルウミウシ、メレンゲウミウシ、イチゴシャムウミウシなど、ウミウシだけでもこのコーナー成り立ったんじゃないかなと思うほどでした。イオワールド鹿児島水族館にはウミウシ研究所という展示のコーナーもありますので次はもっと勉強して第2回をやりたいと思います。