徳之島製茶取締役の豊村友樹さんです。徳之島といいますと、サトウキビのイメージが強いんですが、お茶というのがとても珍しいなと思いまして、ホームページを覗いてみました。
徳之島製茶さんのホームページに写っている茶畑に赤い部分があるんですよね。この茶葉が赤いというのは何か特別な品種なんですか。
豊サンルージュという品種で、赤い新芽の出る日本発世界で初めて品種化されたお茶です。
サンルージュというと太陽と口紅ということですよね。素敵なお名前ですね。これはどのようなきっかけで開発されたんでしょうか。
元々は徳之島で、「紅ふうき」という品種を作っていたんです。次に新しい品種を植えたいなと思ったところ、枕崎にある国の試験場の方に相談したところ、こういうサンルージュ、サンルージュになる前の赤いお茶があるよってご紹介いただいて、植えることにしました。
本当に珍しいですよね。緑茶としてお茶を入れても、赤みがかってるんですか。
赤むらさきという色で、緑茶と書いた緑のお茶なんですけど、ちょっと違った色になっています。
それはまた珍しいですね。豊村さんは徳之島のご出身なんですか。
はい。小学校まで徳之島で、中学校高校と鹿児島の方に出ました。
どのようなきっかけで島に帰ってこられたんですか。
父親がお茶の栽培を始めたいっていうことで、一緒にやらないかという話を受けて帰ってくることにしました。
徳之島でお茶を作ろうという、お父様の思いというのはどんなところからだったんでしょうか。
徳之島の作物がサトウキビしかないということで、徳之島が潤う作物が他にないだろうかっていうことで、父親が鹿児島県の普及者の方に相談したところ、緑茶の方はどうですか、というふうなお話をいただいて始めたっていうのがきっかけです。
お父様の思いというのが実った形になったんですね。その一緒にお茶作りをしていて、また徳之島の島ならではの気候というのがあると思いますが、お茶作りには合っているんですか。
美味しいお茶を作るっていう意味では気候的には合っていないんですけど、特有のカテキンという、体に良い成分があるので、そういったものを特化したお茶を作るっていうことで可能かなと考えて。
でもゼロからのスタートということですよね。それが何年ぐらい前だったんですか。
植え付けたのが15年ほど前ですね。
試行錯誤もあったんじゃないですか。
植えるのが初めての素人ばっかりだったので、どのような栽培方法がいいかだったり、徳之島は台風の常襲地帯なので、植えたらすぐ台風がきて枯れてしまったりなど、災害に見舞われながら栽培していきました。
試行錯誤を繰り返した上で、茶畑が赤く染まったのを初めてご覧になったときっていうのはどんな思いでした。
すごく綺麗で、これを世の中に広めたいなっていう思いがすごく強くなりました。
奄美群島でお茶工場自体が徳之島、瀬戸内だけなので。
お茶どころ鹿児島ということで、全国的にも鹿児島県はお茶の産地だというのは知られていますけれども、その中でもまた徳之島のお茶というのを売り込んでいけたらいいですね。
はい。ちょっと変わったお茶を作っている産地ということで、鹿児島の中でも売り込めればなというふうに思っています。
徳之島製茶さんのいろんな商品を拝見していますと、とってもかわいらしい徳之島ならではのキャラクターがアマミノクロウサギとかルリカケスとか闘牛の牛がパッケージになった商品もあるんですね。
うちの茶畑には世界自然遺産区域から200 m ぐらいのところでお茶を作っているので、茶畑の中にクロウサギが来て、その中で栽培しているってことで、クロウサギのパッケージのお茶を作ったりしています。
茶畑の一番いい風景を見ることができる時期というのはいつなんですか。
一番赤い時期が5月の中旬ぐらいに赤い茶畑になります。
豊村さん、豊かさというのはどのようなことだと思いますか。
豊かさというと、自分としては、人との繋がりだと思っていて、人と繋がる上で笑顔でいることと、その人との関わることに感謝を持つことが大事かなと思っています。
豊村さんのお好きな奄美の場所、おすすめの過ごし方教えてください。
はい。やっぱり一番は、サンルージュの新芽の赤い茶畑の時期ですね。
また、少し高台になると海岸線がよく見えるので、ちょっと高台に登ってもらって徳之島の海岸線を見てもらいたいなというふうに思います
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