オンラインアカデミー屋久島大学教務課の小原比呂志さんです。屋久島大学、どんな大学なんですか。
建物の本物の大学ではなくて、仮想市民大学というものです。イメージ上の大学ですね。場所に学ぶべきものがあるから、概念として大学があることにして、そこで学んだり考えたり話し合ったりしよう、していこうというものですね。
コロナウイルス禍の影響というのも、オンラインでということに繋がっているんですか。
はい。引きこまざる得ない状況があったんですけれども、逆に進んだのが、オンラインで人とどんどん繋がっていくという機会が増えたことですね。
いろいろな人と改めてじっくり話をしたり、それからミーティングが非常にオンラインはしやすいので、対談をしたり話し合ったりということが本当に豊かになった気がします。
具体的にはどんな活動をなさってるんですか。
一つはオンラインセミナーのシリーズです。これはセミナーです。講師の方に来ていただいて、我々がお話をしながらいろんなテーマやトピックスについて学んでいくというものです。
それからもう一つはオンラインダイアログと呼んでいるのですが、専門家に集まってもらって、座談会をしていくものです。セミナーは一般の方大勢来ていただいて、皆でこの話を聞いたり、参加したりしようというものですけれども、ダイアログはむしろ一つのテーマに専門的な検知とか、これからどうしていくっていったようなことを話し合っていくという性格が強いです。
例えばどんなテーマで。
私達が抱えてる問題にガイドのスキルアップということがあります。エコツアーガイドという仕事を私もやってきましたけれども、実際どうやってガイドになるかという、そのトレーニング法というのはいまだに実はあんまり確立されていないんです。
ですからこれを島内の現状どうなのかということを調べた上で、島外、国内、場合によって国外の専門家の方と話し合ってどうすればよくできるかといったことを考えていきたいと。それが今一番大きな問題ですね。
この屋久島大学どうして立ち上げようと思ったのか聞かせていただけますか。
いろいろなことを考えながら来たんですけど、今のままで屋久島もったいないなと。インスタ文化がすっかり定着していて、屋久島に関しても見たことのない新鮮な風景とか、行ったことがない場所というものがずいぶんたくさん出てきてるんですけれども、イメージというのはやっぱり消費されちゃうんですよね。いずれ飽きてしまうみたいなところに陥りかねない気がします。
ですが、屋久島というのはそういう美しいとか綺麗とかかわいいとか言うこと以外に、ものすごく面白いという精神を持ってます。楽しく学んで面白いっていう経験ができるのは、なかなかないことなんですよね。
観光はその見て遊んで食べてっていうのは基本ですけれども、人って分かるとか、あるいはそうだったのか、関連づくとか、これだって繋がるとかそういうのもすごく大きな喜びですよね。だからこういったものを観光にどんどん盛り込んでいくというのが、エコツーリズムっていう観光の形態の基本なんですよ。そういう意味でやっぱり僕らは、ここ30年ぐらいずっとそんなことやってきたんですが、やっぱりいまだになんとなく定着していない感はあります。
屋久島大学に、アイディアが出来上がっていった過程というのも、いろいろな人が関わっていろんなアイディアの結果なんですけれども、やはり内部から屋久島を学ぶための動きを作りたかったということが大きいです。やはりそれだけ、屋久島から発信したいことが、もっともっと知ってほしいと思うことがたくさんあるんですよね。
情報の発信というと何かこう、何か地域の自慢を配っていうようなイメージありますけれども、実はもっと自分たちでこれを勉強して深く掘っていればいるほどいい情報になっていく、ということは間違いないと思うんですね。そうするとしかし島内だけで、凝ってみようって言ってもなかなか手ごわい場合には、やっぱりここまで取り組んでこられた先輩とか専門家の方が島外にいっぱいいるわけなので、ここと組めばいいじゃないかっていうのが考えの基本ですよね。
何も自分たちでひたすら頑張るだけじゃなくて、助けてもらえばいいという、それで大学というこの枠組みを作ると、やりやすいかなと思ったわけです。ですから外部を取り込んで知を集積していくって言うとことかなと思っています。
屋久島大学の情報ですけれども、どちらで確認すればいいんでしょうか?
ホームページがもうすぐできます。それまでは Facebook のページがありますので、ここで見ていただくこともできますし、オンラインセミナーに関してはピーティックスですね。
Web 上のチケットショップみたいなもんですけれども、ピーティックスで逐一出されていきます。出てきたサイトに関してはそのセミナーやダイアログのアーカイブを動画と原稿で揃えていきますので、これがどんどん蓄積されていくだろうと、たくらんでやっています。
では、小原さんの今後の目標を聞かせてください。
これだけ形がしっかりできてきたもんですから、このままを進めていって様々な方と、語り合って共有することで、屋久島を良くして、さらには他の地域にも参考になることも多いと思うので、そういう広がりを続けていきたいですね。
それから屋久島だけでなく鹿児島にも、世界中のすごいものっていっぱいあるんですけれども、カルデラとかですね。世界遺産自然遺産が二つあるのでちょっとないそうですよね。そういうことに関して単に世界一だって自慢するのではなく、客観的にその価値がわかるようになるとか、あるいはその世界の共有財産であるということを考えていくようにできたらなと思っています。
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