宇検村「とよひかり珈琲店」浅尾 朱美さん
Q:奄美の世界自然遺産登録が決まりました。宇検村の皆さんの反応はいかがでしょうか?
浅尾さん:とても喜ばれている印象を受けます。同時に、豊かな自然を自分たち世代まで残してくれたのは、先人の方々おかげなので、感謝の気持ち、また次世代につないでいけるように責任を持って行動しなければという意識が高まっている様子もうかがえました。
Q:浅尾さんは大阪のご出身で、当時は宇検村の地域おこし協力隊、そして任期を終えた後に定住できるように奄美大島産のコーヒー栽培に挑戦しながら、この「とよひかり珈琲店」を開くという夢を実現されました。
浅尾さん:はい。私は母方の祖父母が奄美の出身ということもあり、2015年4月に宇検村の地域おこし協力隊として移住しました。その後、2017年の11月に自家焙煎の「とよひかり珈琲店」を創業しました。
そしてご縁があって、翌年結婚させていただいてですね、昨年の2020年5月に第1子を出産しました。
この夏に、お店の方に泊まれるコーヒーホテルということで、「14hikari coffee inn(トヨヒカリコーヒーイン)」をオープン予定です。
Q:カフェ+宿泊もできる場所を今、整えていらっしゃるということなんですね。
浅尾さん:はい、そうです。
「とよひかり」は、「14のひかり」になるんですけど、この数字のこの14というのは、宇検村にある14集落を表しています。ひかりは、宇検村に住む人の温かさを表しています。
宇検村に来たばかりの頃、親だけではなくて地域の方々も子供たちを見守っているなっていう、それがとても素敵だなというのを肌で感じて、そこから宇検村にある人の温かさというのを「とよひかり」という言葉に込めました。
Q:準備中の珈琲ホテル、具体的にその内容を教えていただけますか。
浅尾さん:空き部屋を活用して泊まれるコーヒーホテル「14hikari coffee inn(トヨヒカリコーヒーイン)」を併設しようということで改修工事をしたり、あと資金を調達すべくクラウドファンディングにチャレンジしたりしています。
部屋は2つで、1日1組限定の1棟貸しという形です。島の暮らしと一緒に、大切な人との時間をブレンドする宿として、心休まる時間を過ごしてほしいと思っています。
泊まれるコーヒーホテルの開設にあたって、こだわりのポイントがたくさんちりばめられているのですが、ちょっと予算がオーバーしてしまって、そのオーバー分を補うべく、またここに泊まってみたいと思ってくださる方が少しでもお安くお泊りいただけるように、クラウドファンディングのリターン品に割引宿泊券をご用意して、7月1日から調整しています。
クラウドファンディングの募集期間は今月の8月14日までで、リターン品の中には、割引宿泊券以外にも、自家焙煎のコーヒー豆やコーヒーチケット、オリジナルグッズなども用意しています。ぜひ奄美好きな方や旅行好きな方、そしてコーヒー好きな方に応援していただけたら、うれしいです。
詳細は、当店の Facebook やInstagram からアクセスできますので、見ていただけたらと思います。
Q:さて、この令和の時代というこの時代を生きる上で生きていく上で豊かさというのは、どのようなことだと思いますか。
浅尾さん:二つあると思います。一つは、実際にどれだけ自分自身が実体験できるかっていうこと。今の世の中、情報がたくさんあって、それを見てると自分が体験したような気になってしまうと思います。でも大切なのはその中で自分がどれをやりたいって選んで行動するかで、そこで初めて物事は実体験として得られて、それが自分の人生を豊かに生きるということなのかなと思います。
もう一つが、「足るを知る」ということ。物があふれる時代で、物を買うときに最近考えるのは、自分がそれを最後までどう使い切れるか、処分するときはどうかとか、どこにどう置くとかっていうのを考えていると、買った物を管理する時間、考える時間って、すごいコストが高いなと思って。何を買うにも結構考えたりするんですよね。
この時間コストというのをできる限り無くして、あるもので何とかするという「足るを知る」中で生きていくっていうことは、結果的に時間に余裕ができて、この時代で生きていく上での豊かさに繋がるのかなと思っています。
Q:浅尾さんの好きな奄美の場所、おすすめの過ごし方教えてください。
浅尾さん:おすすめの場所は龍郷町にある金井工芸です。ここは、染めの職人さんが仕事をされている横で、藍染めや泥染めの体験ができます。職人さんの真横でその体験ができることはとても貴重で、奄美のもの作りの根幹を見ることができます。染物は染め上がる前にどんなふうになるかわからないので、最後までワクワクさせてくれるのも好きです。
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