試乗して感じた課題と期待。走るユニバーサルデザイン「ジャパンタクシー」に試乗しました

先日スマイルネットワーク金曜日・前田 究さんが取り上げた「ジャパンタクシー」の話題。
放送後、前田さんから後日談が届きましたのでご紹介します。
https://blogs.mbc.co.jp/smile/5808

南映タクシー、日高社長から一本の電話

試乗して感じた課題と期待。走るユニバーサルデザイン「ジャパンタクシー」に試乗しました先日の放送で、ジャパンタクシーを導入した南映タクシーについて紹介したところ、南映タクシー・株式会社太陽交通サービスの日高晋太郎社長から電話が。
🗣前田さん「僕がジャパンタクシーを利用していないということで、実車を見せていただけることになりました。ハートピアかごしまに、鹿児島トヨペット所有のデモ車を持ってきていただきました☺」
と、思わぬ展開に!当日は、日高社長や鹿児島トヨペットの担当の方とも「ジャパンタクシー」について、様々な意見交換ができたそうです。
ロンドンタクシーに乗車した経験から、ジャパンタクシーとの比較や改善点について前田さんの感想をまとめました。

ジャパンタクシーに試乗した前田さんの感想

試乗して感じた課題と期待。走るユニバーサルデザイン「ジャパンタクシー」に試乗しました

  • ロンドンタクシーよりは狭い印象
  • 前向きに固定するためには助手席と後部座席を畳まなくてはならない事情もよくわかりました
  • 横向きでも乗れますが、後部座席を全て畳むことになり、定員増加にはつながりません
  • 地面から床面(32センチ)へは2枚を組み合わせたスロープが掛けられ、僕は自力で登れる程度の傾斜(約1/7.2)でした。
    これはユニバーサルデザインタクシーの設定基準よりゆるい傾斜で、電動車いすの人や介助が必要な人でも使いやすいと感じました。
  • 反転式ではなく2枚のスロープをつなげて設置というのは手間がかかる
  • 3点式シートベルトも相当手間取り、スロープ設置から車いす固定、スロープ撤去まで、2人がかりで8~9分かかりました
  • スロープ1枚だけでは傾斜がきつく、一般的にはやめた方がいい角度
  • 歩道からだと高さが稼げるのでスロープ1枚でも問題ないです。

ロンドンタクシーとの比較

試乗して感じた課題と期待。走るユニバーサルデザイン「ジャパンタクシー」に試乗しましたロンドンタクシーは、運転席と助手席の裏側には補助シートがあり、後ろ向きで2人乗れます。
その分、後部座席を畳まなくても車いすが乗れたのだと納得しました。車いすが乗らない場合は、助手席1+補助席2+後部座席3の計7名の客が乗れるという驚くべき広さです。
それでもロンドンタクシーの全長は4m56と、従来のタクシー(トヨタコンフォート)4m59とほぼ同じ。ジャパンタクシーは4m40です。


見えてきた課題と期待

試乗して感じた課題と期待。走るユニバーサルデザイン「ジャパンタクシー」に試乗しました今回試乗して、「スロープの設置や車いす固定にかかる時間」と「車いす+1名という定員」が問題という話になったそうです。また、従来のタクシー車両価格(200万円強)と比べジャパンタクシーは高価(350万円弱)なのも導入の足かせになるとのことでした。1台につき60万円という国からの補助金は、東京都、横浜市、名古屋市で尽きてしまい残念ながら鹿児島県までは回ってきません。
前回の放送で「2020年には、東京のタクシーの25パーセントがユニバーサルデザインのタクシーになる予定」とお伝えしたが、東京都では国からの補助金に加え、都からも1台につき60万円の補助金があり、導入が進みます。逆に国や自治体の補助金が無い地区では、高価なジャパンタクシーのまま・・・。
🗣「実際に試乗し、ロンドンタクシーと比較することで見えてくる課題もありました。それでも、車いすのままで乗れる車両が増えることは朗報であることに変わりはありません🍀今後、現場の声を元に各メーカーが工夫し、基準も見直されると、ユニバーサルデザインタクシーもさらに進化しそうですね。」と、前田さん。
鹿児島でも目に見える“バリアフリー”、ジャパンタクシーの導入が進むことを願うばかりです。

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