大岩根尚さんは、研究に携わる経験から今はSDGs13番目の目標「気候変動」の重要性を強く訴えています。
合同会社むすひ 大岩根尚代表「経済ってずっと右肩あがりだったら良いと考えがちなんですけど、地球は有限なので、環境があってこそ、社会があってこその経済だという考え方を、きっちり明示したのがSDGsのすごく大事なポイントだと思いますす」
三島村の硫黄島に暮らす大岩根尚さん(38)です。
宮崎県出身で、東京大学大学院を卒業後、南極観測隊に参加した経歴を持ちます。
2013年に初めて硫黄島を訪れ、その後、移住を決意。観光ガイドやセミナーなどで島の魅力を伝えながらSDGsの大切さを伝える活動を続けています。
9年前、地球温暖化の研究で南極に100日間滞在した大岩根さん。
現地を調査したり、研究に携わる経験から今はSDGs13番目の目標「気候変動」の重要性を強く訴えています。
大岩根さん「(SDGsは)環境・社会・経済という3つのカテゴリーに分けられて、今でいうと地球温暖化とか海のごみが大変だとか、生物の絶命がたくさん起こっているとかありますよね、頑張って経済活動しても、洪水で一発で流されちゃうとか、気候がこれ以上暑くならないとか、不安定にならないのが大前提なので、(気候変動を考える)そこが僕としては大事かなと思っています」
硫黄島では、自然ガイドとして年間200人以上を案内している大岩根さん。
環境、社会、経済が直接影響しやすい島の暮らしを見つめると、SDGsにつながるキーワードがあると言います。
大岩根さん「今この画面に映っているものって、全て本土から買っているものなんですよね。モノが来てお金が出ていって、ゴミが残るんですよ、島に。なので、別のお金の入り口を作ってあげないといけなくて、そういう意味で地球と遊ぶってことをやると、別の入り口から入れることができるんじゃないかなと考えてましたね」
県内では、SDGsの大切さを伝える取り組みが始まっていますが、課題は実際の取り組みです。
九州経済研究所が行ったアンケートでは県内4分の1の企業がSDGsに「取り組んでいる」、または「検討中」と答えた一方、残りの4分の3の企業は何も取り組んでいないと答えています。
大岩根さん「鹿児島では(SDGsが)全然知られていないなっていう感覚ですね。鹿児島の環境が住み続けられるものである、汚れすぎない良いものであり続けることを願うのは、すんなり受け入れられやすいものなんじゃないかな」
国連が定めたSDGsの達成目標は2030年、残された時間は10年です。
目標は多岐にわたりますが、身近な問題から広げていくこともできます。
大岩根さん「田舎に行ったら自分たちで地域を綺麗に掃除していたりとか、お墓を綺麗にしたりするじゃないですか。それがSDGsの本質そのものなのだなと思っていて、昔のひとが大事にしてくれたこの鹿児島をちゃんと次世代に繋げる役割を当たり前に自分たちも担っているんだよなっていうのは感じますね」
自然を守り、地球上の全ての人が幸せに暮らせること。ひとりではとても達成できませんが、ひとりひとりが取り組まないと達成できません。
身近にできることから始めること、それがSDGsの第一歩です。