薩摩の教え

郷中教育53

今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。
今朝は、郷中における女性の暮らしをお伝えします。

 

女子は、子供であろうと成人であろうと夜の外出は許されていませんでした。
特に行灯あんどんなどに火をつけられてからの外出は絶対に禁止で、止むを得ず外出しなければならない時は、女中、或いは、下僕げぼくともなわなければなりませんでした。

 

青年になってからの男女の交際は、絶対にタブー。
この掟、女性だけでなく二才にせでも同じ。二才にせが女性と会うことは、「けがれ・不浄が身に及ぶ」として遠ざけるものでした。
例え、兄・妹の兄弟であっても、道端で言葉を交わすことも厳禁でした。
例えば、桃の節供でも稚児や二才衆は、住まい近くにいることを避け、近くの丘に登り心身を鍛えたものだった・・・と伝えられます。
現代の私たちから見ると、とてもとても信じられませんね。

 

結婚は、女性の意思は全く認められず、父母・両親の言うがまま。
本人はそのことに不平・不満を述べることも出来ませんでした。
少し大げさかもしれませんが、女性は挙式の朝まで、自分が嫁ぐ先、夫となるべき男性の顔も知らず、ましてや性格など知らないまま嫁いでいったのです。

嫁いでいった娘の「不行き届き」を心配する娘の母親は、娘の足らない点を補い、先様さきさまの親族に対して義理を尽くすのが務めでした。
母親の心労は、並大抵のものではなかったと思われます。
そんな母親の努力のおかげでしょうか、娘が離縁されることは滅多になかったと言います。

 

では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また明日。毎日めにっごわんそ!

郷中教育52前のページ

郷中教育54次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    郷中教育15

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介していきます。これ…

  2. いろは歌

    いろは歌「す」(47番目の歌)

    今日は、いろは歌の最後の歌、47番目の「す」の歌をご紹介します。少し…

  3. 薩摩の教え

    薩摩琵琶①

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  4. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第26条「自分だけを愛してはならない」

    今日は、「西郷南洲遺訓」の第26条「自分だけを愛してはならない」という…

  5. 薩摩の教え

    西郷が遺した漢詩「早起開扉望桜峰」・「武村卜居」

    西郷南洲遺訓に続き、今週は、西郷さん自身が詠んだ「漢詩」をご紹介してき…

  6. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓を紹介するにあたって

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を、改めて皆…

PAGE TOP