薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第39条「才能や知識も大切だが、人格も兼ね備えるべき」

西郷さんの言葉を書き残した「西郷南洲遺訓」から、今日は第39条「才能や知識も大切だが、人格も兼ね備えるべき」という教えを、南日本新聞社の桑畑正樹さんがお書きになった現代語訳でご紹介します。


今の人は、才能や知識さえあれば、どんな事業でも思うままにできると思っているようだが、
才能に任せてことを運ぼうとすることは、危うくて見てはいられないものだ。

仕事は、しっかりした人の体、すなわち「人格」、
また、計画性や人との協調・協力があってこそ
うまく運び、立派な成果をあげることができるのである。

肥後藩の長岡監物先生のような立派な人物は、今となっては、
同じような優れた人を探そうと思っても探せないくらいになってしまった。

これには続きがあり、西郷さんはこのあと、次のような昔の人の言葉を書いてよこしたそうです。

「世の中のことは、真心がない限り動かすことはできない。
また才覚がない限り治めることはできない。真心に徹すると、その動きも発展も速い。
才覚があらゆる面に発揮されれば、その治めるところも、広くすみずみまで行き渡る。
才覚と真心が一緒になった時、治世を行うべきである」と。


明日は、西郷南州遺訓第36条をお送りします。

西郷南洲遺訓 第38条「真の機会をつかむには・・・」前のページ

西郷南洲遺訓 第40条「君子の心はいつも爽快で穏やか」次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    郷中教育45

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。郷中の組…

  2. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第17条「外交を行う際の覚悟」

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  3. 薩摩の教え

    遺訓に見る「西郷像」に至るまで~加来耕三さんのお話④

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  4. 薩摩の教え

    松ケ岡の開墾にまつわる話~菅秀二さんのお話⑤

    今週は、西郷南洲遺訓を作った旧庄内藩にゆかりのある菅秀二さんにお話伺っ…

  5. 薩摩の教え

    郷中教育49

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。郷中の…

  6. 薩摩の教え

    自彊学舎の活動②

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

PAGE TOP