西郷さんの言葉を書き残した「西郷南洲遺訓」から、今日は第39条「才能や知識も大切だが、人格も兼ね備えるべき」という教えを、南日本新聞社の桑畑正樹さんがお書きになった現代語訳でご紹介します。
今の人は、才能や知識さえあれば、どんな事業でも思うままにできると思っているようだが、
才能に任せてことを運ぼうとすることは、危うくて見てはいられないものだ。
仕事は、しっかりした人の体、すなわち「人格」、
また、計画性や人との協調・協力があってこそ
うまく運び、立派な成果をあげることができるのである。
肥後藩の長岡監物先生のような立派な人物は、今となっては、
同じような優れた人を探そうと思っても探せないくらいになってしまった。
これには続きがあり、西郷さんはこのあと、次のような昔の人の言葉を書いてよこしたそうです。
「世の中のことは、真心がない限り動かすことはできない。
また才覚がない限り治めることはできない。真心に徹すると、その動きも発展も速い。
才覚があらゆる面に発揮されれば、その治めるところも、広くすみずみまで行き渡る。
才覚と真心が一緒になった時、治世を行うべきである」と。
明日は、西郷南州遺訓第36条をお送りします。