薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第19条「他人の忠告を聞く耳を持て」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週も西郷さんの言葉を書き残した「西郷南洲遺訓」からご紹介してきました。

今日は、第19条「他人の忠告を聞く耳を持て」という教えです。


昔から、主君と家臣が、それぞれに
「自分は完全だ」、「自分に欠点はない」、「十分に働いている」・・・
とうぬぼれて、その国の政治を行った世の中で、うまく治まった時代はない。

君主といえど、家臣といえど、
「自分にはまだ足りないところがある」と考えるところから、
初めて、民衆の声も素直に聞き入れられるようになるものである。

「自分は完全だ」と考えている人間が、
ほかの人から、欠点や足りない部分を指摘されたりしたら、
すぐに怒り出すであろう。

だから、本当の賢人や君子というような立派な人物は、
おごり高ぶっている者に対して、決して味方などしないものである。


「人の忠告を聞く耳を持て」というストレートなメッセージですね。
いや~今日の遺訓も自分自身に言われているようで耳が痛いです。

例えば組織に属していると、年齢やキャリアによって自然と上のポストに上がっていくと思いますが、そうなると自分について厳しい意見を言ってもらえる機会がぐっと減ってきます。

かといって、これまでの自分の経験だけで物事を判断すると、周りの価値観とのズレが発生してしまうこともあるから難しいですね。

積み上げるものが高くなっていく分、忠告やアドバイスを素直に聞くのは気持ち的にも難しくなるかもしれませんが、そういった厳しい意見や批判を言ってくれる人こそ、実は大事な存在なのかもしれませんね。

今日は第19条「他人の忠告を聞く耳を持て」という教えをご紹介しました。
来週も、西郷南洲遺訓から、西郷さんの教えをご紹介して行きます。

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