薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第13条「安易な増税をしてはならない」

今週も「西郷南洲遺訓」からご紹介しています。
今日は第13条「安易な増税をしてはならない」という教えです。


税金を少なくして、国民の生活を豊かにすることこそ、その国の力を高めることにつながる。

だから、国として取り組む事業が多く、財政不足で苦しむようなことがあっても、
決まった制度をしっかり守り、むやみに租税の法制を変えたりしてはならない。

政府高官や裕福な人たちが損をすることがあっても、一般の人々を苦しめることがあってはならない。

古来からの歴史をよく見てみるがいい。

人の正しい道、道理が通らない世の中にあっては、財政不足で苦しむ時、
必ず小賢しい考えの小役人を用いて、その場しのぎをする人間などを、
財政がよくわかる立派な官僚だ・・・などと思ってしまう。

しかし、そういった小役人は、手段を選ばず、無理やり国民から税金を取り立てるから、
人々は苦しみ、堪えかねて、税の不当な取り立てから逃れようとして、嘘いつわりを言うようになる。

そして互いにだましあい、役人と国民が敵対して、最終的には国が分裂、崩壊するように
なってしまうのではないか。


政府の財政が立ちいかなくなったからと言って安易に増税する政策を、西郷さんは手厳しく批判しています。まずは税金を納める人の立場に立って、「租税はできるだけ軽くすべし」と説いています。

これは、若い頃に薩摩藩の下級役人として税取り立ての現場で働き、貧しい農家の実情をよく知っていたからこそ、至った考え方かもしれませんね。

弱い人の立場に立てる偉人が薩摩にいたんだと考えると、誇らしい気持ちになりますし、自分もそういう考え方を持った人になりたいと思わされます。

西郷南洲遺訓 第12条「西洋の刑罰に学ぶべきこと」前のページ

西郷南洲遺訓 第14条「会計の大原則」次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    自顕流

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  2. その他

    妙円寺詣り その2

    今週は、10月の27日(土)・28日(日)に行われた「妙円寺詣り」に参…

  3. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第24条「天を敬い、人を愛す」

    先週は10月27日、28日に行われた妙円寺参りの模様をお送りしましたが…

  4. 薩摩の教え

    郷中教育5

    今週から薩摩の青少年教育「郷中教育」ついてご紹介しています。さて皆…

  5. いろは歌

    いろは歌「め」(40番目の歌)

    今日ご紹介するのは、いろは歌の40番目の「め」の歌です。めぐりては …

  6. 薩摩の教え

    郷中教育47

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。郷中の組…

PAGE TOP