薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第7条「策を弄して手に入れた成功はいずれは敗れる」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの
番組。今月から、西郷さんが遺した教え、「西郷南洲遺訓」からご紹介しています。

今日は、第7条「策を弄して手に入れた成功はいずれは敗れる」という教えです。


ことの大小にかかわらず、常に正しい道を選び、真心を尽くすべきである。
その場しのぎで、一時の策略を用いてはならない。

人は、多くの場合、難しい状況に陥ると、その場その場で、何か策略を使って、
ことをうまく運ぶことができる・・・と思いがちだが、
策略を用いたためにツケが生じ、えてして失敗するものである。

正しい道を選び、行う場合には、一見すると随分回り道をしているようだが、
結果的には、かえって成功は早いものである。


この第7条もじっくり聞いてみると、背筋が伸びる思いがします。
その場しのぎで策略を用いると必ず失敗すると説いているんですね。仕事でも勉強でも、人間関係でも言えるのかなと思います。

例えば、あるグループがあって1つの企画、話を進める場合・・・
衝突を避けようと、自分の意見を取り下げたり、賛同できない相手の意見にうなずいてみたり。
その場は何となく収まりますが、自分が思った方向に物事が進まず、結局遠回りしてしまうことがあると思います。

相手が自分と反対の意見だったらどうしようと思うこともありますが、勇気を振り絞って自分の意見を出すと、すんなり理解を示してくれて相手が受け入れてくれることもあるでしょう。やはり伝える時の情熱や、相手への思いが大切なのかなと思います。

実は西郷さん自身、不器用なまでにまっすぐな人物で、島津斉彬の弟・島津久光には気に入られず、不遇な時代を経験したこともありました。

この第7条では、その場しのぎでやり過ごすのではなく、自分が信じた道を、熱量を持って、誠意を持ってまっすぐ進むよう、西郷さんが背中を押してくれている気がします。

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