明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週は、現代まで脈々と伝わる薩摩の武術、野太刀自顕流について、鹿児島市の共研舎で行われている稽古風景を交えてお送りしています。
共研舎の「舎」というのは、郷中教育において青少年が自主的に文武を学んだ教育機関です。それぞれの舎で武芸や学問、文化などを学んでいました。教えるのは二才頭と呼ばれる青年リーダーたちでした。かつて、舎は県内各地にありましたが、時代の変化に伴い徐々に姿を消し、現在、活動を続けているのは共研舎、自彊学舎、鶴尾学舎など鹿児島市内の9つの舎と姶良市加治木町の青雲舎の10ヶ所だそうです。
子どもの頃から共研舎の活動に深く携わってきた道場長の伊東さん、副道場長の柚木さんは、まさに郷中教育によって心身が育まれたことを実感しているそうです。
「昔から年が一番下だったので、先輩方に可愛がられて、今もですけど、とてもよくしていただいて、今があるのかなと思います。以前、70、80代の先輩に、なんでいつもよくしていただくのですか、と聞いたら、80代の先輩が「兄弟やっでや」と言われて、すごく嬉しかった、舎にいてよかったなということがありますね。」
(伊東さん)「舎生同士のつながりは、やはりつよいもんね。共研舎には共研舎の意地というものもあるしね。」
(柚木さん)「各学舎、プライドを持ちながら、各学舎の色があって。共研舎なら共研舎の人間だということをみんな誇りにして生きている、みんなにそういう意識がある。そういうのがかっこいいというのがあります。」
郷中教育は決して古いものではなく、現代社会を生きる上でも、大切なことを学ぶ場となっていることが伝わってきますね。
明日は、現代の郷中教育と言える、舎の活動についてお伝えします。