薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第23条「学問の目的」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週も西郷さんの言葉を書き残した「西郷南洲遺訓」からご紹介してきました。

今日は、第23条「学問の目的」についてです。


学問を志す者は、その学問の分野を最初から狭くしぼらずに、
広く学び、理想を大きく持たなければならない。

しかし、ただ知識だけに片寄ってしまうと、身を修めることが疎かになってゆくから、
常に自分に打ち克って、自分自身を律して修養することが大事である。
広く学び、しかも自分自身を律する、この二つの両立に務めよ。

男なら、自分の心の中にどんな人をも受け入れられるくらいの大きさ、寛容さが必要だ。
逆に、人に受け入れてもらわなければならないような小さな人物になっては駄目である。

「その志を大きく抱き、一つのことを進めようとする者にとって、
最も憂うべきことは、自分のことや利益のみをはかり、
卑しくて品のない生活に安住してしまうことだ。
そうならぬためには、昔の立派な人を手本として、
自分からそういう人物になろうと、修行し、努めることである」


高度な学問になるほど、専門的で狭いジャンルになりがちですが、その学問や研究が社会にとってどういう意味をもつかを考えるためには、広い視野と教養を持つことが大事ですね。
そして同時に知識だけではなく、「善悪をわきまえる」など、人格の育成も必要だということを主張しています。

今日は第23条「学問の目的」についてご紹介しました。
来週は、先月末に行われた「妙円寺詣り」でのインタビューをお送りします。

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