【#49】旭交通 取締役・国分支社長 大坪真さん
今週もお聞き頂きまして、ありがとうございました!
「日本を元気に!あなたの街のささえびと」レポーターの鶴園直子です!
このコーナーでは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”。
地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。
このコロナ禍で外出を控えていらっしゃる方、思うように外出ができない方、いらっしゃると思います。
そんな中増えているのが、お買い物や配達の代行サービス。
最近ではなじみのあるこのサービスですが、
これを、実は35年前から取り組んでいたところがあるんです。
それは地元でおなじみのタクシー会社!
今回は、「地元の皆さんのお困りごとを支える人」。
お話を、旭交通の取締役で国分支社の支社長をなさっている、大坪 真さんです。
配達・買い物代行サービス「便利びん」とは、どのようなもの?
簡単に言うと、お客様の「困った」にお応えするサービスです。
病気で外出が出来ない。大事な書類を家に忘れた。買い物に行ったけど一つ買い忘れた・・・など、
時間が取れなかったり、外出できない事情が発生した時に、お客様の代わりにタクシーが伺います。
例えば買い物の代行なら、お店で代金を立替えて、商品を預かり、お客様のお宅までお届けします。
商品代と、店からお届け先までの片道料金で出来るサービスです。
そもそも、始まった最初のきっかけはどんなことだったのでしょうか?
ご友人数人で集まっていた時、タバコを切らしてしまい、
買いに行こうにも、その時車で買いに行くことが出来なかったそうなんです。
歩いていくにも遠く、どうしようかと考えているとき、
その中のお1人が「ダメもとで旭交通に頼んでみたら」の一言がきっかけです。
今では、タクシーに「タバコ1箱でも買ってきます。」というステッカーを張って走っています。
始まった当時はまだまだ珍しい事。始めるにあたってのご苦労もありました。
タクシーが人ではなく、物を運ぶこととなれば貨物ということになるわけですね。
当時はまだまだ珍しいサービスでしたから、許可を頂くまでに時間がかかりましたが、
1つ1つこちらの想いをお伝えして、“救援事業(お助け事業)”という形で、許可を頂きました。
昔、犬の餌やりを頼まれたんですが、犬に吠えられて怖かったことがありましたねー!
今は、どんなご依頼がある?
例えば、「1週間ほど家を空けるので、庭の花や植木に水を撒いて欲しい」とか、
「料理を作り過ぎたから、おすそ分けしたいので知人宅に届けて欲しい」、
「雨が降り出したので学校に傘を届けて欲しい」。
あとは、病院の順番とりや、動物病院の順番とりをお願いされたり、
つい先日は、寒い日の夜中に、
ご年配の方から「あったかい缶コーヒーを買ってきてほしい」とお電話もありましたね!
ここ数年のコロナ禍で、またこれまで以上に需要が高まっています。
そうですね!コロナ前の少なくとも3倍以上になっていますね。
入院中の家族に会いたくても、病院の面会制限の為に会えない。
でも、差し入れの果物や、着替えなど届けたいものがあるということで、
入院中の家族に届けて欲しいというご依頼。
「葬式に行きたいけど行けないので、香典を届けて欲しい」というご依頼もありました。
「今年は帰省できません。お墓のお花を替えてもらえませんか?」というご依頼もありました。
35年もの長い間続いている理由は、こんなところにあるのだと思います。
仕事量の中で便利びんの占める割合は、そこまで大きなものではありませんが、
お客様が困っていることに対して、小さなことにもコツコツと真摯に向き合ってきたことが、
現在まで続いてきた理由のひとつだと思います。
このお仕事を通して、地元をどのように支えていかれたいですか?
昔ほどではありませんが、タクシーは乗りにくいものだと言われています。
640円も支払われるのに「そこまでなんですけどいいですか?」とお客様が頭を下げられます。
私、コンビニで缶コーヒー1本買う時でも「1本ですけどいいですか?」なんて言ったこと有りません。
たぶん近距離で嫌な思いをされたことがあるのだと思います。
だから100メートルでも気軽に乗っていただける様に、
元気で明るい挨拶・笑顔を絶やさない気配り心遣いのできるサービス係(乗務員)を育てたいと思います。