【#34】屋久島いお結び 川東繭右さん
今週もお聞き頂きまして、ありがとうございました!
「日本を元気に!あなたの街のささえびと」レポーターの鶴園直子です。
このコーナーは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”。
地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。
さて今回の舞台も屋久島です。
今日は「地魚の魚食普及を支える人」ご紹介します。
その活動、その名も「屋久島いお結び」。
この活動をしているのが、東京出身の 川東繭右さん。
お魚マイスターアドバイザーで、水産庁任命の「お魚かたりべ」、
また、熊毛郡で初の女性漁業士の認定 を受けたすごいお方・・・。
主に屋久島島内で活動をされています。
🐟「屋久島いお結び」とは、どんな活動なんでしょうか?
皆さんに、屋久島の魚の良さを知ってもらい、食べてもらう機会を増やす取り組みです。
今全国的に「魚食離れ」が進んでおり、
私の周り・屋久島でも日常的に魚を食べている家庭が少ないのが現状です。
そこで、漁師さんをはじめ、漁協や行政などとも連携して、お魚祭りを運営したり、
地魚を使った料理教室を開催したりして、魚食を身近なものにしています。
また子供たちに魚の魅力を伝える出前授業や、
学校給食へのレシピ提供なども行なっています!
🐟そもそも川東さんは、昔から魚との関わりがあったのですか?
元々は、私の父がすごい釣り好きだったことで、
釣ってきた魚を母が料理して、子供の頃からたくさんの魚を食べさせてもらっていました。
物心ついた時には魚にまみれていましたね!
大人になってからも魚好きは変わらず、
学生時代には海外に釣りに出かけたり、
社会人になってからも、週末ごとに日本沿岸を旅しては、釣りをしたり、
各地の伝統漁法を見に行ったりしていました。
🐟色々な経験がある中で、屋久島のお魚はどんな印象でしたか?
屋久島は魚種が豊富です。
代表的な「とびうお」、首折れサバと呼ぶ「ごまさば」をはじめ、
「あおりいか」「カンパチ」、
今の時期は「ばしょうかじき」「いせえび」「あさひガニ」、
冬は「しまあじ」と、とても豊かです。
またお店に並ぶ魚は、釣りものという、竿で一匹ずつ釣るような方法がほとんどなので、
魚へのダメージが少なく、状態がとてもいいことも特徴の1つだと思いますね!
🐟そんな恵まれた屋久島でも、地魚離れを感じる場面ってありますか?
あります!地魚を食べている家庭とそうでない家庭の消費量の大きな差を感じています。
その理由として、
量に対してお値段が高めだったり、ごみや匂いの問題、
若い世代の方は、どんな食べ方をしていいのか分からなかったりと、
地魚の魚食離れは屋久島でも例外ではないのが実情です。
また自分たちが暮らす島でどんな魚が取れているのか、知らない子供たちも多いです。
子供の時に、地元の魚の素晴らしさに気づいてほしい・・・
そんな想いで子供たちへの活動にも力を入れています!
🐟実際に活動を続ける中で、周りの皆さんの反応に変化を感じたことはありますか?
ありますね!
以前学校給食で、カンパチのから揚げをハニーマスタードソースでからめたものを提供したことがありました。
最初は魚臭そうだなぁとか、固そうだなというイメージがあったようなんですが、
食べてみると匂いが気にならなかったとか、魚が苦手だった子が残さず食べてくれたりしたことで、
保護者の方が自宅でも作って下さったりして、少しずつ食べてくれる方が増えてきた気がします。
🐟子供たちにとっても、良い食育ですね?
地魚のことを楽しく学んでもらったり、
時間や手間のかからない調理法や、
子供と一緒に料理して、おうち時間を楽しく過ごす方法を提案することで、
魚料理へのハードルや苦手意識が、少しづつではありますが下がってきた手ごたえを感じています!
🐟これからどんな風に屋久島の魚食活動を盛り上げていかれたいですか?
実は屋久島町役場からの提案で、
来月から毎月10日を「魚(いお)の日」と称して、
「この日は島の魚を食べよう!」という活動が始まることになりました!
島の鮮魚店や小売店・スーパーで地魚を販売してもらったり、
屋久島高校の生徒さんにポスターを作ってもらってPRをしたり、
私が講師を務める料理教室を開催していこうと、今準備をしているところなんです。
トビウオや首折れサバ以外にも、
季節ごとに旬の美味しい魚が身近にあることを知ってもらって、
魚で人と地域を結び、支えていけるように頑張っていきたいと思っています。