ととナビvol.369 シマアオダイとヤンバルシマアオダイ
このところの「ととナビ」では、鹿児島の島嶼域で獲られるうんまか深海魚、アオダイのお話が続いています。
そしてなんですか、先週は「アオダイはオリックスバファローズの魚だったんですね!」という大富先生の意味不明の言葉で終わっておりました。
なんのこっちゃ・・・とお思いの皆さん、今日は、アオダイこと「ホタ」の兄弟、つまり近縁種をご紹介しますね。
まずはこちら。今から5年ほど前にご紹介したウメイロという魚です。このウメイロ「きほた」とも呼ばれています。
そして黄色がいれば、白もいます。こちらは「しろほた」。標準和名はシマアオダイ。
もはや青はどこにもなく、白っぽい体の背中側に黄土色から茶色の太い横帯が入った魚です。アオダイと同じフエダイ科で、大きいものは全長60cmくらいになるのでアオダイよりも大きな魚。年を取るとおでこがふくらんでかわいい顔になります。
大富先生:「シマアオダイは量的にはアオダイよりも圧倒的に少ないですが、味の評価は高いです! 背中が盛り上がって肉厚なものは間違いなく脂がのっています。そんなシマアオダイを好んで仕入れているのが、鹿児島市にある「魚(め)からうろこ」というお店」。。。
熟成が得意なお店で、何日間も寝かせると角が取れてまろやかな味になり、同時に食感もやさしくなるんだそう。。。
大富先生:いつまでも噛んでいたい、「まだおなかに入っていかないで(口の中にとどまっていて!)」って言いたくなるような刺身です。
さあ、続いてはこちらの写真ですよ~。なんか違いません?
大富先生:横帯がおなかの方まで伸びていますよね。これはヤンバルシマアオダイです。アオダイやシマアオダイと同じフエダイ科の魚で、シマアオダイよりもさらにレアな魚です。
シマアオダイとヤンバルシマアオダイの決定的な違いは、・・・口。主上顎骨、つまり上あご。
シマアオダイは上あごにうろこがあって、ヤンバルシマアオダイにはありません☟。
あと、ヤンバルシマアオダイは年を取ってもおでこはふくらみません。
どちらの魚も、刺身はもちろん、火を入れてもかたくならない極上の白身の魚です。どうでしょうか、この夏、アオダイの仲間を食べてみたいと思いませんか?