放送日:2018.7.9
ショートストーリー(夫婦の会話から)
夫:う〜ん・・・困ったなぁ
妻:どうしたの?お父さん
夫:俺の同級生で昔、建設現場で働いていた友人がいるんだけど
妻:うん
夫:どうやらアスベストが原因で病気になったみたいなのよ
あの頃、一生懸命働いていたのね・・・
妻:あの頃って、一体いつの話?
夫:30年くらい前かな?その後は転職して違う仕事をしていたんだよ
妻:30年!?そんな前にアスベストを吸い込んで、最近発症したの?
夫:そうらしいよ
妻:だったら会社を訴えないと!会社からお金をもらわないと!
夫:でも30年も経っていて、会社も潰れているらしいよ
妻:ええっ!じゃあどうすればいいのかね?
【平松弁護士の解説】
アスベスト被害は潜伏期間が10年から40年と、大変長いという特性を持っています。そのため勤めていた会社が廃業していることもありますが、そのような場合にも国から賠償金を受領できる可能性はあります。
訴訟の背景としては、大阪泉南アスベスト訴訟があります。大阪のアスベスト紡績工場の元従業員やその家族、周辺住民らが「アスベスト疾患が発症した責任が国にある」として起こした裁判で、結果2014年に最高裁判決で国の責任が認められ、現在はこの大阪泉南アスベスト訴訟で示された基準にしたがい、国が和解に応じる方針となっています。
また、直接アスベストに関わる仕事に就いていなくても、周辺住民や労働者のご家族でアスベストの被害に遭われた方は、石綿救済法という法律などで救済される可能性があります。