マスク着用でオペラ公演へ
声楽家グループのコロナ禍ならではの挑戦です。濵田レポーターの報告です。
力強く響く美しい歌声。
鹿児島市の吉田公民館ではこの日、オペラの稽古が行われていました。全員の口元にはマスクが…。
4年前から鹿児島で活動する声楽家グループ「La Operanza」は、今月27日に公演を行うため、この日、初めての通し稽古を行いました。
上演するのはイタリアで古くから伝わるロミオとジュリエットの話を作曲家ベッリーニがオペラにした「カプレーティ家とモンテッキ家」。
新型コロナの影響で演奏会や音楽イベントの延期や中止が相次ぐ中、「飛まつ」防止のため出演者だけでなく指揮者やピアニストなどスタッフ全員がマスクを着用したままで行う異例の公演となります。
そして、マスク着用だけでなく検温・消毒・換気など新型コロナ対策を徹底します。
(福冨貴子代表)「やっぱり飛沫を飛ばさないというためにマスクをしているので。検温、消毒、あと部屋の換気。それができない所では(稽古)しないというその徹底とコンサート自体が全て無くなってしまったので、あと延期延期というかたちで。なので、生の舞台を届けられる方法を模索してできるだけという形をとれたらいいなと」
公演を決めた背景には去年から準備を進めてきたこともありますが、新型コロナの影響で生の舞台芸術に触れる機会が減少していることに危機感もあったといいます。
(奥村哲也さん)「今は演奏会に行けないからCDとかDVDとかで聴く機会はたくさん増えるでしょうけれども、生のというって、すごく大事で、生の瞬間に何かが起きているライブを楽しんでいただくためには、このかたちででもやっぱり生を伝えたいなというのが一番の思いですね。」
全国的にも珍しいというマスク着用でのオペラ公演。2月から稽古は続けられてきましたが、出演者にとっては負担や影響は大きいようです。
(福冨さん)「吸うとマスクが口の方についてきてしまうので、最初のころは慣れずに本当に(声が)届いているかなという心配だったりはしたが、この4~5か月、ずっとマスクを着けて稽古もしているので、感覚・感触というのはつかめるようになってきている」
(奥村さん)「普段の彼らのもともと声を知っているので、どうしても何割かは(マスクに)吸われてしまうところはあって、でもそれでも、やっぱり、一緒にひとつの舞台を一体として楽しんでいただける時間が共有できることが一番楽しみというか、それを目指したいですね。」
当日は来場者にもマスク着用や検温を行い、開演1時間前に整理券を配布して整理券の番号順に入場を呼びかけるなど、密の状態をできるだけ避けるための対策を行う予定です。
(福冨さん)「マスクして歌ってますっていうのを言うと、安心して行けるわって言って下さるお客様もいるので、舞台がとり行われたら、良かったねって言えるような徹底をしていきたいと思います。」
今月27日の本番が迫る中、メンバーたちはコロナ禍での新たな音楽公演のかたちを模索しながら稽古を続けています。
【La Operanza公演】
9月27日(日)かごしま県民交流センター 午後4時開演
チケット:一般3000円 高校生以下1500円(当日は500円増し)
問い合わせ:事務局 090-4992-0908