商店街に活気を 衣料品店の取り組み
色とりどりの華やかな柄のマスク。作っているのはアロハの街・指宿市の衣料品店「宝福」です。
店長の西留将浩さん。母・教子さんと親子2代で店を切り盛りします。
ハワイから直接輸入した100種類以上の生地の中から、アロハシャツをオーダーメードしています。
新型コロナウイルスの感染が広がる中、西留さんが思いついたのがマスク作り。
(西留さん)「総理大臣がマスクを各世帯に2枚ずつ配るということで、前日からコロナ対策の話題で持ちきりだったんですよ。そこで、いろいろ自分でなにができるかなというのを考えて、翌日ぱっと思いついてマスクをつくろう、100枚無料配布しようというのを考えました」
今月から、アロハシャツを作ったあとの余った生地でマスクを作り、来店客に配りはじめました。
商店街の会長も務める西留さん、新型コロナの影響で観光客が落ち込んだ街を明るくしたいと話します。
(西留さん)「指宿は観光の街なので、まず観光客が激減している。いろんな自粛の話とかメディアでしてますから、地元の方々もあまり歩かなくなったという感じですね」
西留さんのマスク作りは、手作業です。客が選んだ生地をマスク用の大きさに裁断。縫製は外部に依頼しますが、生地にアイロンをかけ、ガーゼを2枚重ねます。最後にゴムを通して完成です。
予想以上の反響でプレゼント用に準備した100枚のマスクはすぐになくなってしまいました。
現在は、注文を受けてから製作、一枚300円で販売しています。この日も、マスクを求めるお客さんが次々に来店しました。
評判が広がり、問い合わせの電話は県外からも。
(教子さん)「大分からでした。子どものだけでもできませんかとおっしゃるけど、胸が打たれた。返事をしたくてたまらないですけど、先に進みませんもんね。手作りだから、機械でやってたらね」
多いときで一日に150枚以上の注文も。手作りのため、製作が追い付かないときもあります。
(教子さん)「疲れるけど、みんな喜んで帰られるから。柄がついてるだけで選ぶ楽しみがあるのかもしれませんね」
受け取った方の笑顔がマスクを作り続ける原動力になっています。
(西留さん)「アロハ柄をつけることによって楽しさっていうのがありますので、明るい話題になってくれて、街もちょっと明るく盛り上げていこうかなというのは考えていたので、そういう風な方向にいけたらいいなと思います」
300円は材料代だけで儲けはでないそうで、西留さんは「これで儲けるのは罰があたる」と話しているそうです。
西留さん親子に共感して、近所の友人らがお手伝いをされているそうです。