知事選告示まで1週間 各陣営の動き

鹿児島県知事選挙の告示まで1週間です。ここからは県政担当の記者と、これまでに立候補を表明している3人の動きや主張をお伝えします。

(記者)任期満了に伴う県知事選挙にこれまでに出馬を表明しているのは次の3人です。

▼現職で2期目を目指す塩田康一さん(58)
▼新人で元自民党県議の米丸麻希子さん(49)
▼新人で元看護師の樋之口里花さん(52)

3人はいずれも無所属での立候補を予定していて、このほかにも立候補を模索する動きもあります。告示日が迫り、立候補を表明している各陣営の動きが活発になっています。

【塩田康一氏】
今月9日、鹿屋市で支持者らと「語る会」を開いた塩田さん。4年間の実績として、かごしま国体・大会や全国和牛能力共進会など大型イベントの開催とともに強調したのが、新型コロナへの対応です。

(塩田康一氏 無・現)「感染拡大警報をいつどのタイミングで出すか推移を見ながら、みなさんにお願いしたり判断したりと、県民の安心安全・コロナ対策をこの3年近く行ってきた」

(60代)「コロナの対応が早かった。私は介護の現場にいるので、知事(塩田さん)の力が広まったなと思う」

(70代)「自分たちも農業をしているので、農業に対して理解があるのが一番」

【米丸麻希子氏】
同じ日、米丸さんも集会を開き、県が313億円かけ整備を計画する新総合体育館について、ドルフィンポート跡地への建設に反対。子育て支援などに充てるべきと訴えました。

(米丸麻希子氏 無・新)「米丸麻希子は体育館のことばかり言っていると言われるが、違う。私はこの(ドルフィンポート跡地に投じられる)313億円、ドルフィンポート。私はこれを使って鹿児島をもっともっと世界に発信できるものができると思っている。皆さん、鹿児島を変えよう」

(40代)「お金はかかることだが、優先順位だったり、もっともっといい場所にするために、みんなで考えて決められたらいい」

(60代)「私たち市民が安心して暮らせるまちづくりをしてもらえたらいい」

【樋之口里花氏】
樋之口さんは12日、出水市で集会を開きました。川内原発の運転延長や馬毛島への自衛隊基地整備などに反対し、重要な施策は県民投票で決める仕組みの導入を訴えました。

(樋之口里花氏 無・新)「いろいろな人の声を聞き、それを届けて政治を変える力になることは実体験として知っている。たくさんの人の声を聞く県政ができる知事を目指して頑張りたいと思っている」

(80代)「鹿児島は農業県。特に中山間地。きめ細かな農政を行ってほしい」

(60代)「地方から頑張ってもらい、一気に力を込めて頑張ってほしい」

(キャスター)それぞれが強調する主張やカラーも見えてきましたね。

(記者)そうですね。立候補を表明している3人のマニフェストがきょうまでに出そろいました。ここからは、4つのテーマごとに、それぞれの主張をみていきます。

【マニフェスト「暮らし・経済」】

▼塩田さんは、デジタル化で生活の利便性と暮らしの質の向上を進めたいとしています。

▼米丸さんは、マーケティング・ブランド戦略室を新設し、県産品の国内外での販路拡大を目指すことなどを挙げています。

▼樋之口さんは、食料品や生活必需品の離島への輸送料の助成や、農産物の価格を一定の水準に保つ価格保障と農家の所得補償を掲げています。

【マニフェスト「子育て支援」】

3人とも共通しているのが、子ども医療費の窓口負担と給食費についてです。

▼塩田さんは、県では財源確保が難しいとし、全国一律の施策として必要な措置を講じるよう、国に強く要望するとしています。

▼米丸さんは、子ども医療費の窓口負担ゼロの実現、給食費や産前産後ケアの無償化などを挙げています。

▼樋之口さんは医療費を所得制限なしで高校卒業まで拡大し、すべての学校のトイレに生理用品を置くことなどを訴えています。

【マニフェスト「新総合体育館」】

続いては、県が鹿児島港本港区で整備を計画している新しい総合体育館です。

▼塩田さんは、5年後の供用開始を目指し、ドルフィンポート跡地での整備を着実に進めるとしています。

▼米丸さんは、体育館は必要とする一方で「県民の意見を聞き、候補地や規模を見直したい」と訴えます。

▼樋之口さんは計画を見直し、多額の資金をかけずに、県民が利用しやすい体育館建設を目指します。

【マニフェスト「原発」】

最後は「原発」です。川内原発1号機は来月、20年の運転延長期間に入ります。

▼塩田さんは、運転延長を容認し、安全対策・防災対策の充実・強化を挙げます。

▼米丸さんは、延長容認の立場ですが、原発は段階的に停止し、再生可能エネルギーへの転換を訴えます。

▼樋之口さんは、運転延長に反対です。県民の意見を直接、反映させる仕組みとして、県民投票条例の制定を掲げています。

(記者)3人はそれぞれ、SNSでの発信などにも力を入れています。政策や政治姿勢の違いを知るためにも、参考にしてみてはいかがでしょうか。

県知事選挙は、今月20日告示、来月7日が投開票日です。