写真を通し霧島を元気に 東花行さん
京から霧島市に移住して4年。写真を通して地域を元気にしたいと取り組むフリーカメラマンの東花行さんです。
美しく広がる水田。お茶づくりに汗を流す人々。
県内各地の風景を撮影したのは、霧島市に暮らすフォトグラファー東花行さん(45)です。
4年前、家族で東京から引っ越してきました。
(東さん)「知り合いとか親戚がいるわけでもなく。全然そうではなくて、仕事で通って。あるきっかけで」
東京出身の東さん。フリーランスのフォトグラファーとして、これまで主にファッション業界で活動していました。
鹿児島とは繋がりはありませんでしたが、今から6年ほど前、知り合いから霧島連山の魅力を発信するウェブサイトの製作に誘われ、参加します。撮影のためおよそ1年間定期的に霧島を訪れました。
その間、東さんは、人々の暮らしや、様々な表情を見せる自然に触れ、いつからか、この地に住みたいと強く思うようになりました。
(東さん)「月に1回来るうちに、いろんな気付きがあって、人が住むのは絶対こっちでしょっていうふうに、あるとき思ったんですよね」
東さんは妻・愛さんに霧島の魅力を伝え続けました。
(愛さん)「行ったことなかったけど、なんとなく好きそうな感じっていうか、まあ直感なんですけど」
そして、2014年。第2子の誕生や借家の契約更新などさまざまなタイミングが重なり、東さん夫妻は霧島への移住を決意。
初めての土地で、家族4人の新しい生活が始まりました。
鹿児島でもカメラを仕事にしようと考えていましたが、移住直後は、仕事面での難しさに直面したといいます。
(東さん)「知らない人に仕事をふらないっていうのが最初びっくりして。都市部だと、利害関係が一致すればすぐ仕事になるんですよね。だけど、(鹿児島は)信頼がないと仕事にならなくて」
鹿児島で仕事をしていくには、まずは信用してもらうところから。相談があった仕事は必ず受け少しずつ信頼を積み重ねました。
ファッション業界にいた東京時代と違い、いまの撮影の多くは、食や自然など、身近なものです。
(東さん)「今までより楽しいというか。暮らしと撮るものが、どこかで結びついているんですよね、人の暮らしと」
パンフレットなどの製作を企画し、東さんに写真を依頼している花田理絵子さん。
県内の人にとっては、見慣れた日常の風景を移住者ならではの目線でとらえる東さんの写真には、ハッとさせられる魅力あるといいます。
(花田さん)「うわーきれいだね!っていうのが、こちらに長く住んでる人の感じ方よりもさらに、たぶんすごく感動してくれているので、見たことの無い光で撮ってくれる。
よろしくお願いします、東さんいないとだめなんで」
今、東さんが活動の拠点としているのが霧島市霧島大窪の自宅横にある、このアトリエです。
霧島を元気にしたいと、空き店舗を改装しました。
撮影スタジオとして使ったり地域の子どもたちが参加するワークショップを開いたりしています。
日曜日。アトリエに続々と人が集まってきました。
この日は、月に1回開いている記念写真の撮影日。
「2人で撮るなんて結婚式以来かもね~!」
地域の人たちに写真を身近に楽しんでもらおうと、通常よりも低価格の30分3千円で撮影するサービスです。
3世代の家族や親子夫婦など、さまざまな人が撮影に訪れます。
(自治会長・下登千吉さん)「うちの地域に溶け込んでいただいて、みなさん感謝しています。こういうふうに皆さんが寄ってくれれば助かると思います。」
このアトリエを、地域の人が集える場所にしたいと話す東さん。今月から、妻の愛さんも、ネイルサロンをこの場所で始める予定です。
(東さん)「自分のやっていることを見てもらいながら、楽しんでもらって、こんな世界があるんだな、楽しみ方があるんだなというのが伝わっていったらいいなとすごく思います」
写真を通して地域を元気に。日々の出会いを楽しみながら、東さんの活動は続きます。
アトリエ「Higashi House」は県道国分霧島線沿いにあり、今のところ撮影会は月に1回のペースで行っています。(第一日曜日)