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  • 恒例のシリーズ「きばっちょいもす」では、元気なお年寄りを紹介します。

「走らないとカッコ悪い」98歳ランナー世界記録を3つ保持 きばっちょいもす

今月4日、鹿児島市で開かれたマスターズ陸上の九州大会。号砲とともに軽快に走り出したのは、鹿児島市の宮内義光さん(98)です。
短距離や走り幅跳び、砲丸投げなどで、日ごろの練習の成果を発揮しようと大会に参加した324人のうちで最高齢の宮内さんは、ほかの選手たちの目標でもあります。

(千葉県から参加の83歳)「目標としては大変なもんだよ。いつも(宮内さんに)言われる。やろうという気持ちが大事だって」
(鹿屋から参加の78歳)「97、98歳まで生きているのにびっくりする。宮内さんの真似はできない」

蒸し暑く、ときおり強い日差しも差し込む厳しい気象条件での大会でしたが。

(宮内さん)「(Q.蒸し暑いですが、大丈夫ですか?)暑いのは大丈夫。7月生まれだから」

暑さにも負けない体は、毎朝欠かさないジョギングで培われています。かつては10キロ走ることもありましたが、現在も毎朝2キロを走ります。
まだ辺りが暗い午前5時半からおよそ30分。家に帰り着くころには空が白み始めていました。

(宮内さん)「(体に)良いっていうから、納豆は。良いっていうのは何でもやる」

納豆とヤクルトは毎朝欠かさず、夜は焼いたニンニクをひとかけら、アロエを漬けた焼酎も健康のための日課です。
「ペースを崩さない」。それが、走ることにも通じる宮内さんの信条です。

(宮内さん)「(周りが)早かろうが遅かろうが、自分のペースで(走る)。自分のペースを崩さない。死ぬまで走るんじゃないか」

宮内さんは青春を戦時下で過ごし、21歳で終戦。戦後、24歳で市役所の陸上部に入ってから走り始めました。当時はまだ、足袋でした。
26歳で結婚した宮内さんは、いったん走るのをやめましたが、再び63歳で走り始めると、全国各地のロードレースに出場。75歳のとき、75歳〜79歳のクラスの1500メートルで初めて世界記録を出しました。

現在も400メートルから5000メートルの年齢別クラスで、12の日本記録のタイトルを、95歳〜99歳の1500メートル、90歳〜94歳の3000メートルと5000メートルの3つの世界記録のタイトルを持っています。

そんな宮内さんの挑戦にいつも寄り添っていたのは、妻のトヨ子さんでした。大会には一緒について行っては、観客席から声援を送り、手製のふりかけは宮内さんの力の源でした。
しかし、トヨ子さんは6年前に85歳で他界。いまは一緒に暮らす長女のひろ子さんが大会に付き添います。

(長女 ひろ子さん)「すごいなって思いますよね。努力しているし、負けず嫌いのところがあるから。やりたいことをしている。それが良いのでは」

(参加者)「最年長さんですよね、頑張ってください」

今月4日開かれたマスターズ陸上の九州大会。400メートル、800メートル、1500メートルの3種目に出場した宮内さんが挑んだのは、自身が持つ日本記録です。レース前、宮内さんに気負いはありません。

(宮内さん)「(自分が出たい)3000メートルがない。おととしからない。(担当者から)すいませんって」

宮内さんは400メートルと800メートルを完走しましたが、数年前から痛めた右ひざの影響で、この日はタイムは伸びず、最後の1500メートルは途中棄権に。少し悔しそうでした。

(宮内さん)「無理はしない。歩くのはだめ、走らないと。カッコ悪いから」「(100歳まで)あと2年あるから無理しないで。100歳まで走らないといけないから」

ひとつの節目となる100歳まであと2年。宮内さんはしっかりと先を見据えて挑戦を続けます。