川内高城温泉を盛り上げろ!鹿大生が体験型旅行ツアーや情報発信を提言「温泉のクオリティは非常に高い」
日本の名湯百選にも選ばれている薩摩川内市の川内高城温泉。しかし過疎化と後継者不足が課題です。
その魅力を発信しようと大学生が現地視察や温泉経営者らと交流し、情報発信や体験ツアーの提案をまとめ、発表しました。
800年の歴史を持つとされる薩摩川内市湯田町の川内高城温泉です。
山間に囲まれたレトロな町並みに湧き出す県内屈指のアルカリ性単純硫黄泉は、かつて西郷隆盛も好んで訪れたとされています。
一方で、最盛期の昭和4〜50年代には11軒営業していた旅館は現在、6軒。後継者不足も深刻です。その温泉を盛り上げようと、今月、大学生たちが地域住民らを前に発表しました。
(大学生)「私たちが考案するのは、バスと温泉、飲食がセットになったパッケージプラン」
「(提案は)湯みくじについて。神社への奉納をしたり、開運温泉などを設定することにより、散策を促すのがねらい」
これは薩摩川内市が鹿児島大学と協力して今年度行った、東部区域RebornProject事業。大学3年生11人が半年、温泉を調査・体験し、レポートを発表します。
受け入れ側の温泉旅館、経営者は。
(竹屋旅館3代目 田中大作さん・59)「僕らにはない考え方。情報発信をすごく期待する」
学生たちは旅館にも泊まり、ジビエ料理や、温泉を体験しました。
(大学生)「温泉のクオリティは非常に高い」
学生のひとり、瀬戸口紗弥さん。川内高城温泉は今回が初めてです。
(鹿児島大学3年 瀬戸口紗弥さん・21)「すごく硫黄の香りも良かったし、つるつるした感じ。とても泉質が良いなというのを実感できて良かった。地元の人でも入ったことがない・あまり行かないとの意見も聞くことができたので、まずは地域の方から魅力をアピールしていけたら広がっていくのではないか」
夜には地元住民らと意見を交わしました。
(鹿児島大学・人文地域論 小林善仁准教授)「こうやって地域に出ることによって、自分が知らない世界を知ること。そこからさらには自分の進路とかを考えてくれたりもするかと。地域の皆さんに(今回、学生を)育てていただくというところもある」
発表当日。瀬戸口さんは3つのチームのトップバッターです。
(鹿児島大学3年 瀬戸口紗弥さん)「来訪者9万1449人計画と称し、薩摩川内市に住む人全員に、訪れてもらいたい」
掲げたのは市の人口をタイトルに、市民全員が温泉を訪れるよう促す取り組み。目玉は道路にチョークで思い思いの画を描くチョークアートイベントです。
(鹿児島大学3年 瀬戸口紗弥さん)「川内高城温泉の特徴的な一本道で実施することで、多くのファミリー層が訪れ、活気あふれる温泉街になると考える」
さらに…。
(鹿児島大学3年 瀬戸口紗弥さん)「(そのイベント時)共同湯を足湯として開放することを提案します。川内高城温泉の泉質などを知ってもらう機会になる」
(住民)「若い人たちの新しい発想はものすごくパワーには感じた」
(竹屋旅館3代目 田中大作さん)「結構知らない情報とかいっぱい出てきて、率直に新たな発見にはつながっている」
「何らかの形で地域に貢献できる生き方をしたい」手ごたえとともに瀬戸口さんは考え始めていました。
(鹿児島大学3年 瀬戸口紗弥さん)「日本が勢いがあるという時代ではなく経済とかも停滞しているという中で、地域に寄り添えるような取り組みに関われるような人になりたい」
川内高城温泉に思いを巡らせた半年間。地域と大学生がともにあすに向け一歩踏み出しています。