枕崎カツオに高級魚ノドグロ…水産高校がデータに基づき開発したラーメン 1日限定で出店

枕崎市の鹿児島水産高校がてがけたオリジナルのラーメンが、市内の観光施設で1日限定で提供しました。地元で水揚げされたカツオなどを使い、塩分濃度のバランスを自分たちで計算し、編み出したメニューです。

「おいしいね。チャーシューも結構いい感じだよね」

大きなチャーシューと味付け卵に…。地元枕崎で水揚げされたカツオなどの魚介のだしを加えた、とんこつベースのスープ。鹿児島水産高校が作ったその名も「鹿水高らーめん」です。

(レポーター)「おいしい!最初の口当たりは豚骨のこってりですが、のどを通るとあっさり。するするっと入っていく」

食品工学科の生徒が、課題研究として自分たちで選んだ食材のうま味が、一番おいしく感じられる塩分濃度のバランスを自分たちで計算し、編み出したメニューです。

ラーメン作りを指導するのは山下寛教諭。現在、2年生6人と「タンタンメン」の研究を進めています。

課題研究のテーマに「ラーメン」を採用したのは10年ほど前。材料や分量は同じでも、つくる過程で味も変化しやすいため、教材としてもおもしろいといいます。

(山下寛教諭)「ラーメンってその時その時で、作っている人でちょっと味が変わる。学生がいいのは、失敗ができる。失敗ができるということが良い経験に」

味の研究だけでなく、生徒たちに料理の仕方や接客なども体験してほしいと、作ったラーメンを地元の人に提供してきましたが、新型コロナの影響などでこの数年は披露することができませんでした。

先週、3月にリニューアルする地元のお魚センターを盛り上げようと、「鹿水高らーめん」を出店することになりました。

ホタテや高級魚ノドグロからとっただしに加えるのは枕崎で水揚げされたカツオのほか、独自のデータに基づいて調味料を加えた特製しょうゆだれです。

(食品工学科2年・鮫島愛奈さん)「結構緊張しています。みんなで成功できたらいいかなと思っている」

告知のチラシの値段が間違っていたり、遅刻した生徒がいたりなど、アクシデントもありましたが、無事、開店。

(来場客)
「味はあっさりしておいしいですよ」

「子どもたちが作ると(広告に)載っていたから、きょうは食べにいこうかと。味もいいです」

「水産高校卒なんです。やっぱりうれしいです。若い人たちが元気を出して頑張っていってほしい」

準備した50食が3時間で完売しました。

Q.お客さんの反応を聞いてどう?
(食品工学科2年・六反田祐汰さん)「うれしかったです」

(食品工学科2年・宮薗汐逢來さん)「みんなおいしいって言ってくれました。よかったです。自分たちだけでは味とかも意見が聞けないので、いろんな人の意見を聞いて、また改善出来ると思う。タンタンメンもやりたい」

(山下寛教諭)「この経験を経て、今度は2年生たちが研究しているものもあるから、世間にこういう形で出して評価してもらう。失敗と成功というか、それを重ねてトライ&エラーで、それをやってもらいたい」

ユニークな研究に手ごたえも感じた生徒たち。次は研究を進めている「タンタンメン」の完成に向け、意気込んでいます。