あなたの好きな方言は?横綱に「よかおごじょ」「よかにせ」創作劇も

「鹿児島の方言」と言えば、どんな言葉を思い浮かべますか。
鹿児島県は2017年から毎年11月の第3週を「方言週間」と定めていて、さまざまな取り組みが各地で行われています。子どもたちにも方言に親しんでもらおうと開かれたイベントを取材しました。

鹿児島弁を使った劇の上演に、鹿児島弁で書かれたイラストの展示。鹿児島市で、今月11日と12日の2日間、開かれた「方言フェスティバル」です。

(記者)「会場にはイラストレーターが手がけた方言グッズが並んでいる。テゲテゲという方言とコアラがコラボしたトートバックもある」

幅広い世代が鹿児島弁に親しむきっかけになればと、鹿児島方言文化協会の種子田幸廣会長は、数々の鹿児島弁グッズを考案してきました。

(鹿児島方言文化協会 種子田幸廣会長)「例えばいっぺこっぺとか。響きが面白い。よんごひんごとか」

中でも目を引くのが、「かごしま弁番付表」の手ぬぐいです。小結に選ばれたのは「髪が伸び放題」という意味の「やんかぶっ」や、標準語では「ピシッとしなさい」と言う「ハシとせんか」など。

東の横綱には「美人」を意味する「よかおごじょ」、西の横綱には「美男子」をさす「よかにせ」が選ばれました。

(鹿児島方言文化協会 種子田幸廣会長)「海外に鹿児島出身の人が住んでいる。その人たちにすごく人気がある。この間もまとめて海外に送った。40枚ぐらい」

この日は鹿児島市の小学生5人も、鹿児島弁の創作劇に挑戦しました。

(創作劇・少年ゴンザの上演)「ゴンザ、声がちんけど(声が小さい)親方ががっかいすっど(親方ががっかりするよ)」

江戸時代、ロシア語と薩摩方言の辞典を完成させたとされる少年ゴンザが、カムチャツカ半島に漂着するシーンなどを演じました。

(創作劇・少年ゴンザの上演)「こいでみんなを死まさんで済む(みんなを死なせずに済む)良かった」

(出演した小学生)
「練習するのが大変だったけれど、最後は本番が楽しみで夢中で演じた」
「最初は鹿児島弁のイントネーションを覚えるのが大変だった。途中からうまくなってきて楽しくできた」

名古屋市で育ち、4月に鹿児島市の小学校へ転校してきた原田恵多くん。鹿児島弁の劇に挑戦しようと思った理由は…

(西田小3年 原田恵多さん)「鹿児島弁が覚えられそうで楽しそうだなと思った。(Q.どうして鹿児島弁を覚えたかった?)新しい言葉が増える」

今では「ふるさとの文化」として見直されている鹿児島弁ですが、学校で方言を話すと札を首にかけなければいけない「標準語教育」を受けたという世代もいます。

(鹿児島市出身78歳)「方言を使ったら罰で方言を使わないというような札を下げた」

(さつま町出身66歳)「共通語を話しましょうとか、方言を使わないという目標を掲げて使ったら札を下げる。嫌で友だちから指摘されても逃れようとしていた」

昔ながらの方言を話す人が減りつつある中、鹿児島方言文化協会の種子田会長はその魅力を次の世代に伝えていくことが大切だと話します。

(鹿児島方言文化協会 種子田幸廣会長)「(方言は)言葉の文化。これは伝承していかないと。鹿児島県人同士が多くを語らずして相手に自分の気持ちを分かってもらえる」

Q.好きな鹿児島弁を教えてください。
(西田小3年 原田恵多くん)「てげてげ」

「鹿児島県方言週間」は今月18日まで。あなたの好きな方言は?「話のタネ」にしてみてはいかがでしょうか。