塩田知事「まん延防止」要請視野 会見要旨
新型コロナウイルスの感染者が鹿児島県内で104人と過去最多を更新しました。鹿児島県の塩田知事は8日午後、臨時の会見を開き、「急激な拡大で感染経路が追えなくなっている。拡大が続けばまん延等防止重点措置を要請することも視野に入れている」と強い危機感を示しました。会見の要旨をまとめました。
【感染経路が追いきれなくなっている】
「デルタの影響でコロナが勢いを増し、今後、100人、300人と加速度的に増える最悪の事態が考えられる。感染経路が不明な割合が4割を超え、あらゆる場所で市中感染が増え、無症状、軽症の人から感染が広がってきている。感染経路が追いきれなくなっている。」
【ワクチン接種した人、PCR検査陰性だった人も対策を】
「鹿児島市を中心に急激な感染拡大に歯止めがかかっていない。夏休み、お盆の期間もゆっくりと自宅で家族と過ごすなど、人との接触を避けてほしい。特に鹿児島市では不要、不急の外出を避けてほしい。」
「県外との不要、不急の往来を延期、中止するようお願いしている。ワクチン接種を終えた人、PCR検査で陰性だった人も、感染対策を徹底してほしい」
【このまま拡大なら「まん延防止措置」視野】
「今後も感染者数が拡大することが予想される。県は感染者は入院か宿泊療養という基本を維持するが、感染者数の拡大によっては入院調整に時間がかかり、一時的に自宅待機が必要な場合も想定される。このまま推移すれば、まん延防止重点措置を要請することも視野に入れている。まん延防止重点措置にただちに移行できるとは思っていないが、今後の感染状況の拡大によっては、政府に要請するという意味で準備を進めている。」
「鹿児島市が一番、今、危機的な状況で、それ以外の地域だと西之表市。鹿屋市、薩摩川内市、霧島市はまだそこまでじゃないが、感染者が急に増える可能性もある。ここ数日の間に増えれば、鹿児島市以外も視野に入ってくる。」
【感染予防の徹底を】
「爆発的な感染拡大が現実のものとなっている。県民には自身の安全と命を守る行動をしっかりとってほしい。家族の誰かが感染すると、家庭内で感染する。一人一人の行動が自身の健康を守り、大切な家族を守ることにつながる」
《まん延等防止重点措置とは》
現在、北海道や福岡、愛知、熊本など13道府県に適用されていて、都道府県は罰則を伴う飲食店への営業時間の短縮要請や酒類提供の停止を要請できる。