新型コロナ感染者 5月は4月の4倍! 専門家は

今年確認された鹿児島県の新型コロナの感染者数は、年末年始以降、減少傾向だった3月から増加に転じ、先月、5月1か月の感染者は1204人と4月の4倍に急増しました。この感染拡大について専門家は「変異ウイルスが原因と考えられる」と指摘しています。

(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「これまでの鹿児島県の状況では考えられないくらいのかなりの陽性者が出た。予想外の多さ」

5月1か月間の感染者は、これまでの累計3327人の36.1%となる1204人。4月の293人に比べ、4.1倍に跳ね上がりました。なぜ、5月1か月でここまで感染者が急増したのか。

感染症が専門の鹿児島大学大学院・西順一郎教授は、変異ウイルスを指摘します。
「従来のウイルスからイギリス型に置き換わったことが、5月の陽性者の多さの一番大きい原因。3、4月の人の移動が鹿児島でも盛んになり、大阪・東京・福岡などの感染者急増が波及した」

イギリス型の変異ウイルスは従来と比べて感染力が強く、県内の感染者の9割以上がイギリス型だと言います。さらに、先月21日にはイギリス型よりも感染力が強いとされるインド型の感染者が県内でも確認されたことから、西教授は危機感を強めています。

(西教授)「(県内の感染者は)9割以上イギリス型。感染力が約1.5倍増すということで、外でマスクを外した状態で会話してうつったケースもある。三密でなくても一密で感染が起きている。
(インド型は)イギリス型よりもさらに約1.5倍感染力が高くなるから、従来型の2倍以上広がりやすい。インド型の広がりは絶対防がないといけない」

また西教授は5月の感染者の特徴として、感染経路不明者の割合の高さも指摘。これまで25%程度でしたが、5月は変異ウイルスの影響でおよそ35%まで上昇したといいます。

感染経路が分からないことで、これまで以上に感染リスクが増しているとして、西教授は基本的な対策だけでなく、布やウレタンマスクより吸い込む飛沫量を大幅に軽減できる不織布マスクの着用を訴えます。

(西教授)「(感染経路不明者は)5月だけで見ると約35%で約10ポイント上がっている。変異ウイルスの影響で広がりやすくなっていて、県内で感染リスクが増えている。
空気感染することを念頭に置いて、会話をする時はマスクをしっかり着ける。効果の高い不織布マスクを優先することが、変異ウイルスが増えてきた現状では大事」