奄美・加計呂麻島で伝統芸能「諸鈍シバヤ」源平合戦に敗れた平家の村芝居 4年ぶりに奉納
奄美大島の南、瀬戸内町の加計呂麻島で23日、800年以上前から伝わるとされる伝統芸能「諸鈍シバヤ」が行われました。
加計呂麻島の諸鈍集落にある平清盛の孫・平資盛をまつる大屯神社です。旧暦の9月9日(今月23日)、「諸鈍シバヤ」が奉納されました。新型コロナの影響で4年ぶりの開催です。
およそ800年前、源平の戦いに敗れた平資盛の一族が地元の住民に教えた踊り・村芝居が起源とされる諸鈍シバヤは、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
演者はすべて男性で、「カビディラ」と呼ばれる紙の面を被って演じます。かつて20以上の演目がありましたが、現在残っているのは11演目。
開幕を告げる演目「サンバト」や「ダットドン」では、ユーモラスな動きで観衆の笑いを誘います。棒踊りの「スクテングヮ」や最後の演目「タカキ山」では、躍動感あふれる踊りが披露されました。
ピーク時の1950年代には500人いた諸鈍集落の人口は、現在120人。この日は住民や出身者など、小学2年生から85歳までの24人が演じました。
(熊本からの観客)「初めてです。地元の人たちの連綿と続けてきた努力と思いが、ふるさとに対するそういう思いがずっと積み重なって続けていると思う」
(去年、加計呂麻島に移住)「面白いというか興味深い。ずっと残ってきたものなので、このままずっと残っていけばいいなと」
祭りの最後には六調が演奏され、演者や地元の住民、観衆が一体となって踊りました。
(諸鈍集落会 徳元会長)「うちの親父とか先人たちがみんなずっと続けてきた。ここでなくすわけにはいきません。生きてる限りは続けたい」
人口の減少に加え、コロナ禍など、伝統行事の継続が難しくなるなか、4年ぶりとなる諸鈍シバヤは集落を活気づけたようです。