新型コロナ 病床使用率が50%超 専門家は

鹿児島県内の病床使用率は52.0%で、警戒レベル3の指標を超えました。新型コロナ感染者のほとんどが、重症化しにくいとされるオミクロン株に置き換わっていますが、専門家は、このまま感染拡大が続くと、基礎疾患のある高齢者で重症者が増えると専門家は警鐘を鳴らします。

(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「デルタ株と違って重症者はほとんどいないが、感染者が多くなって、特に高齢者の発症が目立ってきている」

県内に564ある病床使用率は29日時点で52.0%となり、警戒レベル3の指標である50%を超えました。感染症が専門の鹿児島大学大学院の西順一郎教授は、若い人から次第に高齢者に感染が広がっているとして警戒感を強めています。

(西教授)「(高齢者は)基礎疾患がある方が多く、感染をきっかけに悪化するケースもある。デルタ株もなくなったわけではない。数%県内でも見られているし、今後、重症者が出てくる可能性はある」

今月に入って、第6波に突入し、県内でも1日の感染者の最多を更新する日が続いています。西教授は、ピークがいつになるのか、予想するのは困難として、基本的な感染対策の継続を訴えます。

(西教授)「(感染拡大が)いつまでも続くわけではない。当初、感染者が多かった奄美地方も減ってきている。時期がくればピークを越すと思うが、その予想はとても難しい。少しでも体調不良を感じたら人との接触を減らすのが大事。感染拡大しないためにマスクをして、人と会わないといけない時は換気を心掛けるのが大事」

また、病床使用率の上昇と同時に、県内では療養施設に入れない自宅待機者も増加しており、29日時点で過去最多を更新し、3000人を超えました。外出を制限される自宅待機に備え、生活必需品や鎮痛薬などを用意しておくほか、頼れる人も確保しておくことが大切と話します。

(西教授)「食料品や水分などは余分に確保していたほうがいい。サポートしてくれる人が近くにいれば、事前に相談しておくのがいい。コロナに対する薬は、重症リスクのある人しか飲めない。熱が高く、のどが痛いなどの症状の場合は『アセトアミノフェン』などの鎮痛薬は準備しておくといい」

また、自宅待機になった場合、体に少しでも異変を感じたら、すぐに保健所か医療機関へ相談すべきと西教授は強調します。

(西教授)「息苦しさとか、心臓の動悸がする、目まい、嘔吐が続いているなど、通常ではなかった症状が見られた時は、必ず保健所や医療機関に自分から連絡して受診してほしい」