「マイクロ飛まつ感染」とは? どう防ぐ?
鹿児島市は25日、学校の部活動における新型コロナのクラスターを発表しました。市は会見で、感染拡大の一因は「マイクロ飛まつ」とみられるとしましたが、この「マイクロ飛まつ感染」とはどのようなものなのか、そしてどう防げばいいのか、専門家に聞きました。
鹿児島市によりますと、鹿児島市立学校の屋内の部活動で新たなクラスターが発生し、25日までに10代を中心に2つの部活動の参加者あわせて27人が感染しました。
2つの部活の部員同士の接触はなかったものの、1つの空間で同じ時間帯に、それぞれマスクをせずに声を出す場面があったため、市は、発生した細かな飛まつ「マイクロ飛まつ」を吸い込んだことが感染拡大の要因とみています。
(鹿児島市の担当者)「デルタ型(変異ウイルス)の影響なのか、感染力が強いということで、空間を共にするだけでの感染というのも見受けられるようになってきている」
厚生労働省によりますと、「飛まつ感染」とは、咳や会話による飛まつを吸い込む感染で、通常2メートル以内の距離の人に感染が起こります。一方、「マイクロ飛まつ感染」は、換気の悪い密室などで飛まつより小さい微粒子がしばらく空気中を漂い、2メートル以上の距離でも感染します。
なお、いわゆる「空気感染」は、小さな飛まつが空気の循環などで長い時間、長い距離にわたり漂い、屋外でも感染するもので、「マイクロ飛まつ感染」より長い距離で起こり、結核菌やはしかなどが知られています。
感染症が専門の鹿児島大学大学院・西順一郎教授は、今回の部活動クラスターについて次のように話します。
「特に今回の事例は、比較的広い室内などでも密集して大きな声を出したりして、マイクロ飛まつがたくさん出る状態があると、2メートルより離れていても感染が起こるということを示したもの」
そして、「マイクロ飛まつ感染」が今後、増えるおそれがある場所として、学校現場のほか、混雑した交通機関やエレベーター、喫煙所、家庭内などを挙げ、改めて細かい飛まつの通過を抑える不織布マスクを鼻まで隙間なく着用することや換気の徹底などを呼びかけます。
(西順一郎教授)「デルタ型になって、出すウイルス量が増えているので、マイクロ飛まつ感染、近い距離での空気感染は起こりやすくなっている。
対策としては、何よりも不織布マスクをしっかり着けることと、密集を避けること。換気で空気中に漂っているウイルスは流れ去るのでそこが大事だと思う」