“その時”自分はどうする? マイ・タイムラインで備える

国土交通省も災害への備えとして進めている取り組みで、こちらは鹿児島市が配布しているものです。

レベル4なら「ここまでに避難を完了」など、大雨警戒レベルごとに自分がどう行動するかを時系列で書き込んでおくことで、防災への意識を高める取り組みです。
大雨や台風など、いざという時に備える「マイ・タイムライン」について取材しました。


(記者)「鹿児島市が希望する町内やグループに向けて職員を派遣する市政出前トークです。こちらの町内では防災をテーマに行われています」

出前講座で参加者が書き込んでいるのが、鹿児島市が昨年度導入し、全世帯に配布した「マイ・タイムライン」。台風や大雨の際、5段階の大雨警戒レベルや市町村から出される避難情報などに合わせて具体的に「いつ」「何をするのか」をあらかじめ決めておく、防災のスケジュール表です。

例えば危険な場所に住む高齢者の場合の例
「レベル1」(大雨や台風が近づく前など)非常持ち出し品や薬の確認
「レベル2」(大雨注意報など)携帯電話の充電や着替えの準備
「レベル3」(高齢者等避難など)家族や事前に決めていた人に連絡し、避難開始
「レベル4」(避難指示がだされた)避難を完了し、家族に連絡

(鹿児島市危機管理課 中水絢仁さん)「あらかじめ整理することで、災害が迫ったときに何をしていいのかを確認できるものになっています」

(参加者)「こういうことをしないといけないんだ、というのを考えさせられました。参考になります」


鹿児島市小野に住む山口修平さん、妻と子ども3人の5人暮らしです。この日、マイタイムラインを作るため、家族で話し合っていました。

まず家の周りにどんなリスクがあるのか、ハザードマップで調べます。山口さんの自宅からおよそ300メートルの所に甲突川が流れていて、鹿児島市の浸水想定では、水色の50センチから3メートル未満の場所です。

しかし、すぐ近くには3メートルから5メートル未満のうす紫色の区域もありました。また、近所のがけ周辺は急傾斜地の崩壊や地すべりのおそれがある「土砂災害警戒区域」に指定されています。

次にレベルごとの行動を決めます。避難情報が出される前のレベル1とレベル2までに食料や水の備蓄のほか、非常用持ち出し袋の中身の確認を済ませておくことにしました。

そしてレベル3の高齢者避難が出された場合、近くに住む祖父母に連絡。レベル4の避難指示では、避難を開始。子どもが3人いて次女の芽衣ちゃんがまだ2歳と幼いため、高さ7メートル以上ある自宅の2階に避難することを決めました。

完成した山口家のタイムラインです。
「レベル1」非常用バッグの点検
「レベル2」携帯の充電や風呂に水をためる
「レベル3」祖父母を自宅に避難させ、道路の状況を確認
「レベル4」非常用バッグを持ち、2階へ避難
「レベル5」命を守る

家族みんなで話し合って作り上げたマイ・タイムライン。普段から目につきやすいようリビングに貼りました。

(山口由佳里さん)「避難バッグは作ってから半年以上見直してなかったので。(両親が)我が家より危険な地域になったので、家に呼んだほうがいいんだなぁというのは今初めて気づきました」


防災意識を高めるためのタイムライン。ただ、鹿児島市の担当者は、「タイムラインはあくまで目安で、周りの状況に応じて臨機応変に行動する意識を持っておいて欲しい」と強調します。

(鹿児島市危機管理課 中島智広課長)「『マイ・タイムライン』は一度作成して終わりというものではない。見直しを作っていただいて必要な防災行動につなげていただきたい。また風水害というのは想定したとおりに進行するとは限らないので、臨機応変に対応してほしい」

自分は“その時”どうするのか?「マイ・タイムライン」を書き込むことで、いざという時の備えや避難を考えるきっかけになります。

※鹿児島市の「マイ・タイムライン」は、鹿児島市のホームページからダウンロードできます。

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