全国的に感染が拡大している新型コロナウイルスですが、インフルエンザとの同時流行も懸念されています。そうした中、鹿児島大学にも関係するベンチャー企業が、唾液を使ってこれらのウイルスを同時に検査するキットを開発し、販売を始めました。
検査キットを発売したのは、鹿児島大学認定ベンチャー企業で大学内に本社がある「スディックスバイオテック」です。「糖鎖ナノ粒子法」と呼ばれる独自に開発した手法で検体の唾液に含まれるウイルスを濃縮した上で、新型コロナとインフルエンザA型、B型の3種類のウイルスを同時に検査します。
ウイルスを濃縮させるために検査の感度が高いのが特徴だといいます。また、検査時間がおよそ20分と短い上、唾液による検体の採取は鼻の奥に綿棒を入れる従来の方法に比べてくしゃみなどを誘発しにくく、医療従事者のリスクも軽減されるとしています。
今月11日に厚生労働省から保険適用が認められ、16日から医療機関向けの販売を始めました。ベンチャー企業の代表を務める鹿児島大学大学院の隅田泰生教授は、より多くの人が検査を受けやすくなると期待しています。
(隅田泰生教授)「かかりつけ医が検査できないので大きな病院に行ってくださいでは、がっかりするし、行きたくない。そんなところも解決できるのでは」
来年3月末までに100万人分のキットを製造・販売する計画で、検査費用はPCR検査と同じ2万円程度になる見込みです。