鹿児島県は、医療機関が全ての新型コロナ感染者を報告する「全数把握」を20日から見直しました。何が変わるのか?感染症の専門家や県に聞きました。
政府が今月26日、全国で全数把握を見直すのに先立ち、鹿児島県は今月20日から見直し運用を始めました。全国では9番目、九州では佐賀、長崎に次いで3番目の運用開始です。
医療機関はこれまで、全ての感染者について氏名や年齢、連絡先などの詳しい情報を保健所に報告していました。20日からは高齢者など、重症化リスクの高い人はこれまで通り詳しい情報を報告しますが、それ以外の感染者は年代と総数のみの報告となります。
(県くらし保健福祉部 岩元慎二課長)
「65歳以上の方、入院を要する方、重症化リスクがあってコロナ治療薬等を必要とされる方、妊婦に限定されます」
見直しについて感染症の専門家は。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)
「詳細な報告をハイリスク者や高齢者に限るということで、これは医療機関や保健所の負担がかなり減りますので、歓迎できる」
現場の軽減が期待される全数把握の見直しですが、重症者リスクの低い感染者は報告の対象外となるため、症状が急変した場合の対応などが懸念されています。
(西教授)
「高齢者だけでなく、比較的基礎疾患のない若い人や子どもでも死亡例が出ているのを考えると、急に重症になるという人への対応を細やかにやる必要がある」
そのため県は、若い人などが自宅療養などをしていて症状の変化や不安などがある場合は、フォローアップセンターを利用してほしいと話します。
電話番号050-3310-9706で、土日祝日を含む24時間対応します。
(県くらし保健福祉部 岩元慎二課長)
「若い軽症の方々で発生届の対象外の方は、医療機関でフォローアップセンターの案内をお知らせしたチラシも配布されることになりますので、そちらも見ていただきながら相談してほしい」
さらに県は20日から「陽性判定サイト」を開設。自分で検査キットを使って検査し、陽性となった場合に、結果の画像を送信すると、医師が陽性かどうかを判断します。
全国より前倒して始まった全数把握。県民の不安を払しょくするためにも、きめ細やかな対応が求められることになります。