MBC制作『私が外国人になった日~兄弟島の分断~』
2/27(日)5:35~
太平洋戦争のあと、アメリカ軍の占領下に置かれ、日本から引き離された島々がある。鹿児島県の南の海上に浮かぶ奄美と沖縄の島々だ。地理的にも文化的にも近く、かつては「兄弟島」と言われていた。
島々の運命が変わったのは1953年12月25日。戦後8年のアメリカ軍統治を経て、奄美が沖縄より先に日本復帰を果たした日だ。奄美が悲願の「祖国復帰」に沸く一方、沖縄で暮らす奄美出身者の状況は一変。たちまち「外国人」となり、さまざまな制約を受けることになった。
税金は納めても選挙権や銀行の融資は認められず、公職も追われるなど状況は悪化。高校卒業後、奄美から沖縄に渡った津留健二さん(88)は公務員になる夢をかなえられなかった。
新天地を求めて海を渡った沖縄で、なぜ夢を絶たれることになったのか。その背景には、沖縄での基地政策を優位に進めたいアメリカ軍の策略が絡んでいた。
沖縄が日本に復帰して半世紀。分断の歴史を知る人も少なくなる中、一度は引き裂かれた島々の絆を取り戻そうと奔走する人々がいる。奄美と沖縄が日本に復帰した年に生まれた「復帰っ子」と呼ばれる世代だ。
戦争が残した「負の歴史」にあえて目を向け、前を向く人々の姿を追った。